密閉型カラービーンズステレオイヤホン
分解組み立てが容易な100円イヤホンの詰め替えをします。
分解
ダイソーの100円(税抜)で売られているカナル型イヤホンです。
耳の裏側にケーブルを通すSHUREがけがしやすい形状をしています。
ノズル先端には異物よけで紙のようなフィルターが付いています。ノズル直径は4.5mmです。
仕様
型番 | T023 Earphone No.28 |
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ドライバー | φ9mm ダイナミック型 |
周波数特性 | 20~20kHz |
入力感度 | 107±5dB |
インピーダンス | 16Ω |
重さ | 10g(線・イヤーチップ含) |
コード | 塩化ビニル被膜銅線 105mm |
端子 | 3.5mm ストレート |
本体 | ABS樹脂 |
入力感度の「±5dB」は個体差で左右の音量に差がある事があり、音量が大きい方に音が偏ります。中央に定位する人の声で確認すると、左右に寄るのが分かりやすいです。さらに左右を付け替えると偏りが逆になるので気のせいかどうか判断できます。
分解
ケーブルが出ている部分のつなぎ目に精密ドライバーを入れます。指でつかんでひねっても外れます。
ケーブルが出ている部分に精密ドライバーを入れて、テコで持ち上げたりはせず、つなぎ目に押し込むように力をかけて開きます。
ハウジングが開きました。中央付近の白くなっている部分が接着されていたようです。
ケーブルから2本線が出ていますが、緑色が左チャンネルのプラス、茶色の銅線がGNDになります。右は赤プラス青GNDで、珍しい青線のGNDです。下の別の製造時期の物は左右のGNDは茶色でした。
ドライバーのマグネット部分をつかんで動かすとドライバーを外せます。
ドライバー全体の直径は9.2mmです。ドライバーの下には音の出る穴があります。
文字を消す
プラスチック用コンパウンドでこすると文字を消す事ができます。
ケーブル
取り外したケーブルは他の機器に流用できます。FAKE IE7で使ってみました。
別の製造時期の製品
別の時期に製造されたイヤホンです。上のピンクは出始めで、この水色はそれからかなり後の物になります。
バリや隙間に成形不良と初期の物と比べて作りが悪いです。成形不良はヤスリとコンパウンドで整えました。
最近購入した物は左右共に、両面テープ使用前に付いている紙が貼り付いたままになっていました。紙を外すとテープが中央以外の穴を塞いでいるのが見えます。テープを剥がすと初期の物と同じ配置で穴が開いています。
配線の色は初期と違い、一般的な赤Rch・緑Lch・茶GNDでした。
前面は同じ外見でしたが、背面は周囲にある穴の数が5個と9個で異なります。
SHUREがけ
SHUREがけをする時、左右を入れ替えると装着方法が変わります。逆に付ける場合は配線を左右入れ替える必要があります。
Klipsch Image S4のドライバー移植
分解したBEANSとS4のドライバーです。
ドライバーの固定
ドライバーのサイズが1mm違うため周囲に隙間ができています。そこでまず斜めにドライバーを取り付けます。
制振などの効果があるブチルゴムの両面テープを引き延ばして隙間を埋めました。
配線のハンダ付け
ドライバーを固定したらケーブルをハンダ付けします。
ハンダ付け後、音を出してみると、低音スッカスカ高音シャリッシャリと聞くに堪えない音が出ています。
動作不良対策
ブチルゴムを追加してドライバーの周囲を完全に覆ってみました。すると今度は音がまともに出るようになりました。
ドライバー周囲に少しでも隙間があるとまずいようです。
組み立て
ケーブルが出てくる部分の部品がちゃんと付かないので普通の両面テープで周囲を覆って固定しています。
本体の接着はドライバー周りを埋めた時にはみ出たブチルゴムで接着しました。そのブチルゴムがカバーしている分は3割程度ですが、それなりに固定できています。
フィルターの除去
S4のノズルにフィルターがなかったので、こちらのフィルターもピンセットで外しておきます。
文字の消去
文字をコンパウンドで消します。
イヤーピース
BEANSのノズルはS4より若干太いだけなのでS4の楕円イヤーピースが流用できます。
完成
ドライバーの移植が完了しました。