Ultrasone Proline 750

壊れたヘッドバンドの補修をします。

Proline 750

Proline 750 付属品

Ultrasone Prolineシリーズ密閉型上位モデルのProline 750です。Prolineシリーズはこの代限りで、後継はPROシリーズと名称が変わっています。Proline 750→PRO 750→PRO 750(色が変更)と後継機種が出ていますが、基本性能は同一のようです。これは2004年末に29800円で購入しましたが、現行のPRO 750もAmazon価格26800円で値段はあまり変わっていないようです。

付属品は予備パッド1組、カール&ストレートケーブル、6.3mm→3.5mm変換端子、デモCD、収納袋です。

イヤーパッドのつけ置き洗い

イヤーパッドとヘッドパッド イヤーパッド別角度

画像では目立ちませんがイヤーパッドが結構汚れているのでつけ置き洗いをしてみます。

使用した物

ジャムの空き瓶 ワイドハイターEX

お徳用ジャムの大きめな空き瓶とワイドハイターEX、あと適当な粉の洗濯洗剤を使います。ワイドハイターは無印のもありますがEXの方が何となく効きそうなので選んでいます。

つけ置き

洗濯洗剤を投入 ワイドハイターEXを投入

空き瓶に適当な量の洗濯洗剤と、キャップ一杯分のワイドハイターEXを入れます。

イヤーパッドを投入 お湯を投入

続けてイヤーパッドを入れていますが、プラスチックの枠の方が瓶よりも大きかったので無理やり入れています。最後に洗剤が溶けやすいようにお湯を入れ、ふたを閉めてかき混ぜて2日放置しました。

つけ置き後

つけ置き後 プラスチックの枠が割れた

3回ほどすすいで数日かけて乾燥させてみたところ、汚れがきれいに落ちて新品のような輝きになりました。しかし、瓶に無理やり押し込んだのがまずかったようで、枠に妙な癖が付いてゆがんでいます。ゆがみを手で戻そうとしたところ枠が割れてしまいました。

隅が外れたパッド 外れたパッド別角度

さらに、ずっと無理やり押し込んで力がかかり続けたためか、パッドの隅が外れて中のスポンジが飛び出ています。

一般的なハウジングの枠にパッドを引っかけるタイプなら瓶で良かったのですが、今回のような独自の枠を使って固定するタイプの場合は、別途つけ置き用の容器を用意するべきでした。

イヤーパッドの応急処置

ホットボンドで固定 補修後

開いてしまった部分はホットボンドで接着できます。指で押さえながらホットボンドを塗り込んで、隅の部分を付けていきます。数ヶ月~1年程度は持ちます。

ヘッドホンの臭い取り

汗をかきやすい人が使った後に臭いが付き、ULEの金属板やネジがサビだらけ、どうしてこうなった的な状態になりました。とりあえずサビは落とせましたが臭いはしばらく放置しても消えません。

重曹

そこで投入したのが重曹です。スーパーなどで100円ぐらいで売られています。下駄箱の臭い取りなどの使用例もあるので効果が期待できそうです。

袋詰め

ULEの金属板を外して袋に入れます。

右ハウジングに重曹投入 左ハウジングに重曹投入

重曹をどばどばと入れます。

重曹投入後 イヤーパッドを追加

重曹を入れたら袋を閉じます。ついでにイヤーパッドも入れておきました。

袋詰め1ヶ月はほとんど効果がなく、2ヶ月でやや弱めになり、半年ほどで臭いが取れました。重曹のおかげかどうかはいまいち分かりませんがとりあえず臭いは消えました。イヤーパッドの方はあまり効果がなく、上のつけ置き洗いでようやく取れました。

重曹の掃除はハンドブロワーで行いました。

ヘッドバンドの補修

バンド左側 バンド右側

ひびが入って砕けてしまったヘッドバンドの補修をします。このヘッドバンドは単体で販売されていませんが、他のヘッドホンでも使われているのでパーツを移植する事ができます。今回はDJ PRO 2000Sのパーツを移植します。中には金属アームが通っているので、こんな状態でもそのまま使えます。

ヘッドバンドの分解

ハウジング付近

ハウジングのネジの位置 ハウジング中身

画像の黄色い丸のネジを4本外します。赤丸のネジ3本はドライバ用なので外す必要はありません。ネジは結構固いので精密ドライバではなく、長めのNo0のドライバでしっかり力を加えて回した方がよいです。

ドライバの極性 ドライバのケーブルを外す

ハンダごてを当ててケーブルを外します。ハンダごての先端に少しハンダを盛って、その部分を対象のハンダに当てるとすぐに溶けます。溶けたらケーブルを引っ張って外します。

ハウジングの支え部分 支え部分を外す

ハウジングの支え部分を指で押し出します。固めなので外側からヘラで持ち上げると楽に外せます。

支えとハウジングを外す 支え部分のケーブルの通り道

ハウジングが外れました。ケーブルは矢印で示してある支え部分内側の溝を通してあります。忘れてましたがここでケーブルにテープを巻いて目印にしておくと組み立て時に役立ちます。

関節部分のネジ 関節部分を外す

ハウジングの支え部分を折り曲げて、関節部分のネジを出します。2本のネジを外すと片側が外れます。

関節部分がむき出しに 関節から支え部分を外す

関節からハウジングの支え部分を外します。ケーブルも外しておきます。

右側アーム付近

ヘッドバンド上部右側 金属アームの爪

ヘッドバンドの上部右側です。既にいろいろなパーツが無くなっているのでDJ PRO 2000Sの分解を参照してください。ここでも同じようにストッパーの爪を平らにしておきます。

金属アームを引き抜く ヘッドバンド上部右側の部品を外す

金属アームを引き抜いて金属球が出てきました。今回の金属板は中に付いたままです。ヘッドバンド上部付近の外れる物を全て外しておきます。

右側先端付近の配線 右側先端付け根の配線

ケーブルを外す前の右側のパーツ先端付近の配線です。左側のケーブルは逆の位置を通っています。

左側アーム付近

ヘッドバンド上部左側の分会 ヘッドバンド中央部分

ヘッドバンドの上部左側も同じようにして外しました。今回は小さな金属板が外れています。ここを外すとヘッドバンドの中央部分が外れます。

ヘッドバンドの組み立て

バンドの伸縮部分の組み立て

先端内側のパーツ 取り付け忘れると

ここから組み立てに入ります。まずはアーム先端内側のパーツを取り付けます。付け忘れるとまた分解しないといけません。

金属板を乗せる 金属球を乗せる

小さな金属板が外れた場合、溝にはめ込みます。金属板は球を乗せるために若干へ込んでるので裏表を確認して取り付けます。このとき奥までしっかり板を押し込まないと球を乗せた時に動いてしまいます。金属板を取り付けたらその上に金属球を乗せます。

外側パーツをかぶせる 金属アームを差し込む

球が動かないように静かに外側のパーツをかぶせ、金属アームを通します。アームを取り付けた後に球がこぼれ落ちず、アームを伸縮させた時にカチカチと音がして軽く固定されたら成功です。固定が確認できたらストッパーの爪を立てておきます。

ここでは特に問題なくスムーズに取り付けられましたが、逆側では異様に手こずりました。取り付けのコツはこの後に説明します。

各パーツにケーブルを通し、組み立てる

右側のパーツにケーブルを通す ケーブルの先端をねじる

ケーブルを溝にはめて固定せずに、右側のパーツにケーブルを通していきます。ハウジングの支え部分を通す時は、2本に分かれているケーブルの先端をねじってまとめておくとやりやすいです。

はみ出すケーブルの長さ 関節部分にケーブルを通す

先の行程で目印のシールを貼ってない場合は、約9cmほどケーブルの先端を出してください。後はケーブルをパーツにどんどんはめ込んでいきます。

組み立て途中1 組み立て途中2

関節付近のケーブル通しです。

組み立て途中3 組み立て途中4

アームの右側にケーブルを通し内側のパーツを取り付けます。

組み立て途中5 組み立て途中6

バンド調整用の球を乗せて金属バンドを通します。バンドを通したらマイナスドライバでストッパーの爪を立てます。

バンド中央付近の組み立て

ある程度組み上がったヘッドバンド付近 ヘッドバンドにケーブルをはめ込む

左右の金属アームを通したら、ヘッドバンドの溝にケーブルをはめ込みます。

バンド上部左側 バンド上部左側内側部品取り付け

バンド上部付近内側のパーツを取り付けます。

バンド上部右側 バンド上部右側内側部品取り付け

反対側も同様にします。

バンド交換後 ハウジング取り付け前

バンド交換が完了しました。あとはハウジングを取り付けるだけです。

ハウジングの組み立て

ハウジング内にケーブルを通す ハウジングを支える部品の取り付け

ハウジングを支える部品のケーブルが出てる方を先に差し込んで、もう片方をはめ込みます。外す時と違って取り付けは簡単です。

ケーブルのハンダ付け 金属板のネジ止め

ケーブルをドライバにハンダ付けし、金属板をネジ止めします。ハンダは手を加える前からやたらと盛ってあるのでそれを利用します。ケーブルをラジオペンチでつかみハンダに当てます。その上からハンダごてを当てるとそのうちハンダが溶けるので、溶け始めたらハンダはごてはもう少しそのままにし、ラジオペンチでケーブルをハンダの奥まで押し込んで手を固定し、ハンダごてを離してケーブルの固定はしばらく維持します。

バンド交換終了

完成図1 完成図2

組み立てが完了しました。

金属アーム取り付けのコツ

金属球 金属球の大きさ

金属アームに仕込まれた金属球に見覚えがあるなとノギスでサイズを測ってみるとTrackball Opticalの支持球と同じ大きさでした。なくしてしまった場合は同じサイズのセラミックボールを注文するとよいでしょう。アームを外す時や取り付け失敗時に外れてなくしやすいです。

アーム取り付け前の準備 アーム取り付け途中

金属板は裏表があるので微妙に凹んでいる部分が手前に来るように向け、しっかり奥まで押し込みます。押し込みが甘いと金属球が転がってしまい固定できません。

右画像は取り付け途中です。金属アームを差し込む前に外枠のパーツを取り付けないといけませんが、付けると中が見えなくなるので確認のためそのまま付けています。金属球を押し出さないように金属アームの下へ納めます。

アーム差し込み前 上向きに差し込む

アームを差し込む時、上向きに押し込むと金属球が落ちずに済みます。

外に突き抜けたアーム 途中で角度を変えて納める

しかし、上向きのまま押し込むとそのまま外側に突き抜けてしまいます。最初はやや上向きで金属球を回避し、途中で少し下に向けて中に納めます。

互換ヘッドバンド

交換に使えそうなヘッドバンドを使っているヘッドホンの一覧です。他にもいろいろとあります。

各種位置 ロゴ

配色

頂点緩衝材腕外側腕内側関節ロゴ
GEMINI DJX-05
GEMINI DJX-07
NEU HX-5000
PICKERING PC-100
Ultrasone HFI-450型番
Ultrasone HFI-550型番
Ultrasone HFI-650型番
Ultrasone HFI-750型番
Ultrasone Proline 550型番
Ultrasone Proline 650型番
Ultrasone Proline 750型番

上部が一体型になっているタイプ

関節部分が見た感じ同じなので流用できそうなヘッドバンドです。

頂点腕外側腕内側関節ロゴ
ALLA CORAL AL-DP100
BEHRINGER HPX2000メーカー
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