Wacom Smart Scroll SS-100 (BH-0110)
分解をしてボール操作の改善をします。
Smart Scroll SS-100
Wacomより発売されていた手のひらサイズの左手用補助トラックボールSmart Scroll SS-100(BH-0110)です。スマートスクロールは2種類あって、こちらはボールとホイールのみでキーが一つもない廉価な方です。
補助操作用と言ってもドライバ導入前だと普通に操作ができます。
ペイントを開き、別の機器で右クリックをしながら中央の円から操作を行うと右側へはスムーズに操作ができますが左側にはさっぱり進んでくれません。上下の時は下側への操作が鈍い感じです。
このトラックボールは画像のゴム付きシャフトを回す事で移動を検知します。スムーズな右側や上側への操作はゴムシャフトにボールを押し当てる形になるのでうまいこと動いてくれるようです。逆にその反対側では微妙な操作になります。
ロジのトラボと同じ様な支持球が使われています。
背面です。ネジはゴム足の下に隠れているようです
まずはここに一つ。ゴム足をめくると画像のようにねじ穴の部分が浮いているのでドライバを差し込みます。ネジをゆるめたらそのままゴム足を付けて元に戻します。
右側のゴム足の下にも一つあります。
上側のゴム足の下にも一つあります。三ヶ所のネジをゆるめたら筐体を開く事ができます。
内部はこんな感じになっています。
USBケーブルは着脱可能なタイプです。
ホイールはロータリエンコーダにつながっています。
分解に入ります。画像の黄色い丸の二点を外すと半透明の枠が外せます。水色の丸は同じサイズのネジなのでついでにまとめて外します。中央左側の黄色い丸はすぐに取れないので後回しにします。
右上の黄丸のネジを外した後に基板を矢印方向に引っ張るとLEDの付いた基板が外せます。
狭いスペースに収まっているLEDのケーブルを外にどかします。
ケーブルをどかすと半透明の部品を抑えているもう一つのネジが出てきます。
半透明の部品を外すと、画像の丸で囲ってる部分の黒い部品も外れます。こんな感じで収まっているようです。
三ヶ所のネジを外すと黒い土台部分が外せるようになります。前に外した五本のネジとは長さが違うので混ぜないように気をつけます。ここで外すネジは全て凹んだ部分に付けられています。
シャフトを押し込んでる針金をどかします(土台から取り外す必要はありません)。そうしたらシャフトを軽く押し込んで先端を枠から外してシャフトを外します。
無事取り外せたらブチルゴムテープを巻きます。
ブチルゴムテープです。この名前で接着剤付きの物などもあったような気がしますが自己融着テープを使います。自己融着の名前の通り巻き付けるとブチルゴムテープ同士で張り付きます。
こんな風に少しテープを引き出し
両端を抑えて引っ張るとよく伸びます。
これぐらいテープを切り出します。
両端を持ち何度も引っ張ると上の切れ端がこれぐらい伸びて薄くなります。しかし指で摘んでいた部分はそのままなのでカットします。
準備完了、これをゴムシャフトに巻き付けます。
テープを巻き付けます。しわができないように気をつけます。でこぼこになったらやり直しです。
薄くのばしたゴムテープの先端を指でゴムに押しつけて軽く接着し、そこから先端を指で抑えながらゴムテープを伸ばしつつ巻き付けていきます。
コツは切れない程度に常時引っ張って伸ばしながら巻く、です。
適当なところで引っ張って切ります。切断部分は指で押しつけると同化して目立たなくなります。厚さにもよりますが最初は2~4周程度巻いて動作確認をするといいと思います。
ゴムから余分にはみ出た部分は動作の邪魔になるので切り捨てます。はみ出てる部分に指の爪を当てて回せば簡単に取れると思います。逆に簡単に取れないならテープが厚すぎるのか巻きすぎです。
ゴムシャフトを戻したら組まずにそのままボールを乗せて動作確認をします。スリットの部分が下に出っ張っていて触れたら回らなくなるので気をつけます。ここでシャフトの逆に回してちゃんと動かない時はテープをはぎ取ってまき直します。
シャフトを覆うカバーを取り付けて動作確認をします。厚すぎるとここでうまく回らなくなります。
もう一つの方も同じようにテープを巻きます。端のスリット部分は外側にずれる事もあるのでずれたら元に戻しておきます。動作確認で問題がなければ後は組み立てです。
まずはシャフト付きのシャーシを乗せます。
続けてその上に付くカバーのような部分を乗せます。
三つの窪みの部分をネジで締めて、ホイールを乗せます。
半透明の部分を乗せます。
黒いパーツを取り付けてネジを締めます。
こんな感じで固定します。
この状態で実際にケーブルを接続して動作確認をします。実際に動かしてみるとどうも駄目で何度かやり直す羽目になりました。
LEDのケーブルを元々収まっていた隙間に入れます。続けてLEDを半透明の枠に差し込んでネジを締めます。
LEDを差し込んでからケーブルを隙間に収めます。画像には出てないですが残り三ヶ所のネジも忘れずに締めておきます。
蓋を閉めて、裏面の隠しネジを三つ締めて完成です。上下左右それ相応に動くようになりました。