薄型光学ドライブの外付け化
ノートPCや省スペースPCで使われている光学ドライブを外付けケースに入れて外付けにします。空いたスペースに別の何かを増設したり、外付け化する事で複数のPCで使い回す事ができます。単品で売られている薄型ドライブでも同様の事ができます。
端子とUSBの規格
薄型ドライブに付いている端子はIDEとSATA(シリアルATA)の2種類があります。一部ですが独自端子が使われて交換や流用ができない物もありました。大まかな目安として~2007年がIDE、2008~はSATAのドライブが主流になっています。
それぞれの端子用のケースがあるので、手持ちのドライブの端子を確認してから入手してください。
普通の端子と比べると大きさがかなり違います。
USBの規格と光ディスクの速度による上限
光学ドライブの外付け化の多くはIDEやSATAをUSBに変換します。そのため変換先のUSBの規格によって使えるドライブが制限されます。
USB1.1変換では低速のCDドライブしか使えません。USB2.0なら大半のDVDドライブと低速のBDドライブが使えます。USB3.0のBDドライブの対応は16倍速となっていますが、今後より高速な製品が出てきても対応できるはずです。
USBの規格
実際の速度はハードディスク接続時に頭打ちになる速度です。
バージョン | 規格上の最大速度 | 実際の最大速度 |
---|---|---|
USB 1.1 | 1.5MB/s | 約1MB/s |
USB 2.0 | 60MB/s | 約30MB/s |
USB 3.0 | 625MB/s | ? |
光ディスクのデータ転送速度
光ディスク | 1倍速 | USB 1.1 | USB 2.0 | USB 3.0 |
---|---|---|---|---|
CD | 150kB/s | 6倍速 | 72倍速 | 72倍速 |
DVD | 1385kB/s | × | 16倍速 | 24倍速 |
Blu-ray | 4500kB/s | × | 6倍速 | 16倍速 |
何かのPCに内蔵されていた薄型光学ドライブ
何かのPCに内蔵されていたPanasonic UJ-831Bです。そのPCに取り付けるための専用マウンタがドライブの周りに付いています。
付属部品の取り外し
マウンタ
このままでは外付けケースに入れる事ができないのでマウンタを外します。
左右側面のネジ2つずつ外します。
後ろのネジ3つを外します。
ネジを外したらマウンタを分離する事ができます。
テープ
厚みでケースに入らなくなるのでテープをはがします。粘着物が残ったのでジッポオイルで落としました。
ベゼル
ベゼルが引っかかってケースに入らないので外します。
ホッチキスの針を伸ばし、ベゼル前面の小さな穴に差し込みます。
するとトレイが飛び出します。
側面のネジ1つと上のネジ2つを外すとベゼルが外れます。
これで外付けケースに入れられるようになりました。他のPCの付属ドライブでも今回のようなマウンタがネジで取り付けられている事があります。物によってはマウンタが使われていない物や、ベゼルがそのまま使える物もあります。
[IDE-USB2.0変換] Owltech OWL-ESODIDE(B) [USB ミニB端子]
IDEのスリムドライブをUSBに変換する箱です。
ケースの中に変換基板が入っています。
ドライブの取り付け
光学ドライブを奥まで差し込み、ネジを2つ締めて完成です。
USB ミニBケーブルでPCと接続すれば外付けドライブとして認識されます。
[IDE-USB2.0変換] バルクケース [USB B端子]
メーカー不明の外付けケースです。外見は上のOWL-ESODIDEに似ていますが、端子にUSB B端子が使われています。これは2500円ぐらいしましたが、今は同機能の物が1000円程度で購入できます。
組み立て
ドライブを入れて後ろを2箇所ネジ止めすれば組み立て完了です。
中身
上ぶたを取るとこんな作りになっています。
SONNY製です。
ドライブに基板だけを直接付ける事もできます。
[SATA-USB2.0変換] I-O DATA DVDP-U8X [USB ミニB端子]
今時珍しい読み込み専用のDVD-ROMドライブです。外部電源とUSBバスパワーの選択ができるスイッチが付いています。
背面に付いている縦置き用パーツを取り外して別の位置に付けると縦置きができます。
分解
背面のネジを1つ外すとケースの上ぶたが少しだけスライドできるようになります。
上ぶたを持ち上げて外します。ドライブを外す時、右側にある電源スイッチが引っかかるので左側を持ち上げます。
そのまま持ち上げるとドライブが外せます。
ドライブの取り出し
左のネジ2つ、右のネジ1つを外します。
ドライブが取り外せます。別のSATA接続のドライブに交換すれば動作するかもしれません。
[IDE-IEEE1394変換] I-O DATA DVDP-i8A/US2 + 1394-iCN2
i・CONNECT対応の外付けケースを使ったDVDドライブです。アイ・コネクトは専用のケーブルやアダプタを変更する事によりUSB/IEEE1394/PCカード接続に対応します。
このドライブには元々USB2.0用のアダプタが付いていていましたが、それをIEEE1394接続にする1394-iCN2に変更してIDE-IEEE1394変換にしています。
IEEE1394 (i.LINK / FireWire)
IEEE1394はSONYと一部メーカーのPCではi.LINK、Apple関連の製品ではFireWireと呼ばれています。USBほど普及しませんでしたが、2007年以前あたりのPCにはIEEE1394端子が搭載されている物が多く、特にノートPCではUSB端子の節約になるのでIEEE1394接続のドライブを1台持っておくと便利かもしれません。
分解
背面のネジ5つを外すと下側の部分が外れます。
後ろ側の3方のついたてはろくに固定されていないので簡単に外れます。逆に組み立てる時は簡単に崩れるので大変です。
上側の部分も簡単に外れます。基板はテープで固定されているので、ドライブを交換する場合ははがす必要があります。
[IDE-USB1.0変換] Panasonic KXL-RW20ANの分解とベゼル流用
USBの外付けドライブとしては初期の製品で、CDのR/Wが6/4倍とかなり古いドライブが使われています。とりあえず分解してみます。
赤丸のネジが光学ドライブ用、黄丸のネジがケースの上面を止めています。赤丸のネジを外してドライブを引っ張ればドライブだけ外れると思います。
ネジを外して上ぶたを取ってみました。手前の両端に爪があり、外す時に折ってしまいました。
アルミのシールド板を外すと変換基板が出てきます。変換チップにはNEC USBATAC1との記述、ドライバのINFファイルを見てみるとMedialogic USB-ATA/ATAPI Brigeとあるので、その類いのチップのようです。
ドライブを外します。このあとUJ-831BやUJDA320などに交換してみましたが、この変換基板経由では認識されませんでした。逆にこのドライブを他の変換基板に付けてみたところ認識はしましたが読み込みはできませんでした。
ベゼルの取り外し
針でトレイを出しベゼルのネジを外します。
外れました。
ベゼルの加工
UJ-831Bに付けようとすると裏側の出っ張りが引っかかるのでニッパーで切り落とします。
ベゼルのネジ止めはできましたがケースに収めようとすると引っかかります。
ニッパーで余計な部分を切り落とし、切断面をやすりがけし、実物あわせをしながら調整します。
ケースに収まりましたが微妙な仕上がりです。アクセスランプは見えず、ボタンもやや強く押さないとトレイが出てきません。
ベゼルの配置
手持ちのPanasonic製ドライブのイジェクトボタンやトレイ取り出しボタン、アクセスランプの位置は同じでした。TEACとHitachiの位置は一見同じようですが各機能の高さが微妙に異なります。同じメーカーでも時期によって位置が違う場合もあるようです。
[IDE-USB2.0変換] バルク変換基板 [USB B端子]
ケースも無いむき出しの変換基板です。ドライブに取り付ければ一瞬で外付けドライブの完成です。
ちょうどいい大きさのネジがあればネジ止めをして基板を固定する事もできます。