BL-09
奥行きがやや短いミニタワーをいじってみます。
ケースの外観
某店のBTOパソコンのケースです。
ケースの寸法
ケースの外形寸法はW181xD387xH364mm(ケースの足・フロントパネル・背面の出っ張りを含む)です。高さや幅は一般的なミニタワーと変わりませんが、奥行きが400mm以下で場所をあまり取りません。ミニタワーは省スペースに見えても奥行きがある物もあり、それらケースは思ったより場所を取ってしまいます。
奥行きは387mmですが、フロントパネルなどを含まないケース内部の長さは333mmになります。そのため増設する拡張パーツの大きさには注意する必要があります。
外観
地味ですがPCケースは自己主張がない方が飽きにくくてよいと思います。オープンベイは5インチと3.5インチそれぞれ2つずつです。このケースは白と黒の2種類がありますが、最近(2010年頃)は5インチベイに増設するパーツの大半が黒色なので、色にこだわりがなければ黒の方がパーツ選択に困りません。
前面の端子は音声の入出力とUSB2.0です。USB3.0やeSATAを使う場合は拡張ベイを使って増設すれば良いでしょう。電源ボタンの横に最近は見かけなくなったリセットボタンがあります。
背面
背面は拡張スロット4本の標準的なマイクロATX用ケースです。ケース側面の板はプラスチックの固定具とネジで固定されています。この固定具だけで側面の板をロックできますが微妙に使いにくいです。固定具に付いているネジは専用の物を使います。側板に取っ手が付いているので外しやすくなっています。
側面
左側面に吸気口はありますがファンを固定する穴はありません。右側面は固定されているので裏配線はできません。
裏面
シャドウベイのハードディスクのネジは裏側から固定します。手前に吸気口があります。
中味
ドライブはHDDと光学の2台で拡張カードはないため、中はがらんとしています。
配線周り
ケーブルは結束バンドで束ねてケース内に固定されています。
ケーブルが抜けないように各ドライブの端子にはテープが貼り付けられています。
結束バンドが使えないところはテープで留めてあります。4年ぐらい経過していますが、はがれていません。
ケースの骨組み
電源付近は支えになるような物は無く、小さな出っ張りと背面の4本のネジで固定されています。昔のケースの電源付近は電源を覆うように支柱が組まれて頑丈でしたが、配線などがしづらくなるデメリットもあったので、こういう作りも良いかもしれません。
オープンベイとシャドウベイです。5インチはオープンx2、3.5インチはオープンx2とシャドウx2の構成です。ドライブを多めに積む事もできますが、ケースファンは付いていないので何か熱対策が必要になるかもしれません。
電源LED
よくある青色LEDです。
電源交換
電源の交換をします。このケースは奥行き333mmなので、なるべく短い電源を選んだ方が良いでしょう。
PSU500AN80PT
プラチナ電源のPSU500AN80PTに交換してみます。これはKRPW-PT500W/92+のバルク品のような製品で、80PlusPlatinum認証の高効率電源です。PT500Wとの違いは簡素なパッケージと保証期間が1年になっているところです。
奥行きは125mmと短いです。
元の電源の取り外し
元の電源のケーブルがオープンベイの下に結束バンドで固定されているので切ります。
電源の下に爪があってなかなか外れません。電源を持ち上げて、爪をまたぐように力をかけると外す事ができます。
電源の取り付け
先に上から入れて、爪をまたいで取り付けます。
4ピン端子の隣にコイルがあって取り付けにくいです。余分なケーブルは元のと同じように空きベイの下に納めました。
交換前後の消費電力
BIOS | アイドル | スリープ | 電源断 | |
---|---|---|---|---|
交換前(LW-6400H-4) | 85.3W~ | 51.3W~ | 2.3~2.4W | 0.7~0.8W |
交換後(PSU500AN80PT) | 66.5W~ | 38.2W~ | 1.8~1.9W | 0.4~0.5W |
全体的に消費電力が下がりました。
骨組み
中の部品を全て外しました。支柱などが一切なく強度はなさそうですが、その分スペースはあります。
マザーボードはネジ8本で止めます。ケースファンの取り付け可能な場所は背面一カ所だけです。
拡張カード周り
拡張カードの先にHDD固定用の部品があるため、取り付けられるカードは250mm程度になります。
カード長245mmのVoodoo5を取り付けてみましたが、かなりギリギリです。このカードのように電源端子が上向きなら幅いっぱいのカードが取り付けられます。
ビデオカード用の大きめのヒートシンクで基板より高い位置になっている物があります。基板の上側から50mm弱の余裕があるので、多少はみ出てる程度なら装着できます。
拡張スロットにはブラケットのずれを防ぐ出っ張りがあります。これによってしっかり固定できるのは良いですが、一部のコネクタの位置が悪いカードで左右の微調整ができず、奥まで差し込めなくなる場合があります。
電源周り
125mmのショート電源を使っても、5インチベイに何か取り付けるとスペースがほとんどなくなります。
3.5・5インチベイ
ケース上部にオープンベイ、下部にシャドウベイがあります。
フロントパネル用のケーブル
上下のベイの間に穴が開いていますが、ただの通風口でファンは取り付けられません。そのそばからフロントパネル用のケーブルが出ています。
USBとオーディオ用の端子は一般的なマザーボードで使われている配置です。「P LED」は電源ランプで極性は書かれているとおり、「HDD LED」は赤がプラスで白がマイナス、「SPEAKER」は黄色がプラスで黒がマイナス、「POWER SW」と「RESET SW」は電源・リセットスイッチで向きはどちらでも構いません。
組み立て
適当なパーツを取り付けていきます。
電源の取り付け
電源を取り付けます。今回は上で出てきた電源の増量版KRPW-PT600W/92+を使います。
マザーボードの取り付け
リアパネルを忘れずに取り付け、先にCPUとクーラーを付けたマザーボードを取り付けます。
フロントパネル用ケーブルの取り付け
マザーボードの説明書を見ながら、フロントパネル用ケーブルを取り付けます。
フロントパネル用ケーブルを取り付けたら、ばらけているケーブルをヒモで縛ってまとめます。
フロントパネル用USB端子のケーブルも取り付けます。取り付け後、これも上のケーブルと一緒にまとめておきました。
このマザーの音声端子は拡張スロット付近にあるので取り付け後、マザーの部品の合間を通しておきました。
電源ケーブルの処理
24ピンと4ピンのコネクタを接続したら、不要ケーブルを束ねて空きスペースに押し込んでおきます。
HDDの取り付け
HDDを取り付けます。ケースの裏面からネジで固定します。
組み立て終了
5インチベイのフタがないのでDVD-ROMを差し込んでおきました。これでひとまず完成です。
ケースファン
独特な形状をしたグレーのファンが特徴のGentle Typhoon(D0925C12B2AP-13)です。これを取り付けました。
動作テスト
温度は通常/最大です。最大がPrime95を10分間実行した時の最も高い値、通常がPrime後10分放置です。
構成 | ケースファン無し | ケースファン有り |
---|---|---|
Temp1 | 47℃ / 49℃ | 39℃ / 42℃ |
Temp2 | 34℃ / 54℃ | 29℃ / 47℃ |
CPU | 43~47℃ / 61~66℃ | 38~40℃ / 54~57℃ |
手をかざしてわずかに風を感じる程度の微風でもなかなかの効果がありました。