Olasonic TW-S5
中の基板を流用してUSBパワーアンプとして活用します。
分解と基板の取り出し
USB-DACとバスパワー動作のデジタルアンプを内蔵し、USBケーブル一本で動作するアクティブスピーカーです。アナログ音声入力はなく、背面から左右のスピーカーを結ぶケーブルとUSBケーブルが出ているだけです。
右chの底面のゴム足の下にネジが4本あります。ネジを外すと底面のフタが外れます。
基板はヘラか何かで持ち上げると外せますが、基板にケーブルがつながっているため取り外すことはできません。
ハンダごてを使って、赤黒2本線のスピーカーケーブルを外すと基板が取り出せます。ハンダを溶かしながらケーブルを引っ張れば外せます。この状態ならすぐ戻せるので、何か作業をする場合は外してしまった方が楽かもしれません。
画像をクリックすると拡大します。USBケーブルと左chスピーカーケーブルも外しました。
スピーカー出力のそばに、ローパスフィルター用の部品が付いています。コイルは33uHのTW-S7などと同じ物ですが、コンデンサC41,C40,C39,C38は、他機種と違ってチップコンデンサが使われています。基板にはスピーカー出力のピンアサインが記されています。
DACのPCM2704付近です。水晶がTW-S7やDigiFi7と違う物になっています。基板裏側にはUSB端子のピンアサインが記されています。適当なUSBケーブルを途中でカットし、中の線を画像の色通りに配線すればPCと接続できます。PCM2704の14,15番ピンから左と右の音声出力が出ているので、足を上げたり途中の経路をカットするなどしてボリュームの取り付けができます。
基板の仕様比較
似たような機能を持つ基板の仕様比較です。
TW-S7 | TW-S5 | DigiFi No.7 | DigiFi No.13 | DigiFi No.17 | |
発売 | 2010/04 | 2012/11 | 2012/08 | 2014/02 | 2015/02 |
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価格 | 9980円 | 6980円 | 2980円 | 4200円 | 4500円 |
電源 | 5V 2.5W(USBバスパワー) | ||||
DAC | PCM2704(48kHz/16bit) | ||||
周波数特性 | 20Hz~20kHz | 3kHz~45kHz | |||
アンプIC | TPA3110D2 | TPA3130D2 | |||
最大出力 | 10W+10W(8Ω) | 12W+12W(6Ω) | |||
コンデンサ | 22000uF | 6800uF | 10000uF | ||
音量ボタン | あり | ||||
基板寸法 | ? | 53x53x20 17g | W64xD93xH38mm 57g | 75x75x37 71g |
TW-S5の基板上には入出力端子が実装されていないため、基板のサイズは小さいです。
USBパワーアンプ
中の基板を別のケースに取り付けて、USB-DAC兼パワーアンプにして使います。
使用部品
ケースはダイソーで購入した金属缶です。他の百円ショップでも使えそうな物がちらほら売られています。
スピーカー端子はRCAケーブルを使って接続するので、スピーカーターミナルではなくRCA端子にしています。通常のスピーカーケーブルを使う場合は普通のターミナルを用意すれば良いでしょう。
ケースが小さいので裏側の余分な部分はニッパーでカットし、ヤスリがけをしています。金属端子は折り曲げています。M3のネジを使ってケースに固定することができますが、最初はネジの溝が切られていないので、プラスドライバーで力を入れて回す必要があります。
基板に取り付けるためのピンです。これを使って内部配線を着脱可能にして、基板を容易に取り外せるようにします。ニッパーでカットして使います。
用途 | 商品名 | 価格 | 数 | 合計 | 購入店舗 |
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ケース | ブリキの灰皿 角形 青 | \108 | 1 | \108 | ダイソー |
スピーカー端子 | 基板用RCAジャック(赤・白) | \30 | 1 | \30 | 秋月電子 |
ピンヘッダ | ピンヘッダ 1x40 | \35 | 1 | \35 | 秋月電子 |
ピンソケット | 分割ロングピンソケット 1x42 | \80 | 1 | \80 | 秋月電子 |
スペーサー | 黄銅スペーサー(六角・オス-メス) 4mm BSB-304E | \25 | 2 | \50 | 千石電商 |
USBケーブルは何かのUSB機器から切り取った物を使います。百円ショップで売られている適当なUSBケーブルやUSB機器の片方をカットした物でも構いません。内部の配線材はPC用電源のケーブルを流用しています。これも適当な機器から回収したり、電子部品を扱う店などで別途購入します。
スペーサーを固定するネジとナットはM3の物をホームセンターで購入しています。1つ数円で100個まとめてで100円強でした。表の4mmのような短すぎるスペーサーはネジがしっかり締められないので、もう少し長いものを選んだ方が良さそうです。
基板へピンの取り付け
ピンを必要な分だけ切り離します。今回はUSB用なので5ピン分切り出しています。このままだとピンが太くて基板に刺さらないので、ピンの短い方の直径が小さくなるようにヤスリがけをします。あとは基板に取り付けてハンダ付けです。スピーカー出力の部分にも同じようにしてピンを取り付けます。
ケース加工
ケースの底に基板固定用の穴を2つとRCA端子取り付け用の穴を開けました。
うまく穴を開けないとRCAケーブル接続時、RCAのマイナスとケースがショートするので、組み上げたあとにRCA端子の回りにテープを貼って絶縁しました。
配線
ケースにUSBケーブル用の穴を開けて通します。そのあとにUSBケーブルの切れ端とピンソケットをハンダ付けします。
基板の表示に合わせて、赤が5V、黒がGND、緑がD+、白がD-、USBケーブルを覆う金属のシールド部分をSHIELDにします。配線の並びが正しくても、逆につなげると壊れるのでよく確認をした方が良いでしょう。
RCA端子にも配線します。今回は黒をマイナス、プラス側を左右で色分けしています。これでRCA端子の中央がプラスで、外側がマイナスになります。
仕上げ
ケース内に基板とRCA端子を収めて完成です。ケースが小さいのでUSBケーブルはもっと細い物、スピーカーのケーブルはもっと短い物にするべきでした。
スピーカー出力は内側がマイナスで外側がプラスです。左チャンネルは3ピンありますが、内側の1本は使いません。
これでUSBケーブル一本で好きなパッシブスピーカーをUSBスピーカーにできるのでなかなか重宝しています。