LUXMAN LXU-OT2

オーディオ雑誌Stereo付録USB-DACの部品交換やケースの作成を行います。

USB端子の接触不良

手持ちの基板はUSB端子が緩くなって少し触れただけでPCから認識されなくなるようになりました。

その場合、USBプラグの上下の隙間に紙を無理がない程度詰め込めば、しっかり固定されて接触が改善します。レシートの紙を折りたたみ、上下に差し込める程度に小さく切り取って取り付ければよいです。

USB端子内部の金属部品を持ち上げても効果はありますが、あまり長続きしません。

外観

Stereo誌2013年1月号 パッケージ

毎年恒例?のStereo誌2013年1月号の付録です。去年のLXA-OT1はパワーアンプで、今年はヘッドホンアンプ付きUSB-DACになります。OT1はアナログ入力のため音声機器ならどんな物でも接続できましたが、OT2はUSB入力のみなので接続先はパソコンに限ります。

付属品 付属ケーブル

付属品はダンボールに納められていて、支柱やプラスチックの簡易保護カバーなどが入っています。付属のケーブルにはラックスマンのロゴが入っていて端子は金メッキです。

本体表 本体裏

本体は基板むき出しなので付属の支柱とカバーを取り付けるか、何かしらの対策をしないとすぐ壊れてしまうでしょう。

簡易カバー

エアキャップ エアキャップを縦長に折る

プチプチのエアキャップを縦長に折り曲げました。

エアキャップの端に基板を乗せる ビニールひもで縛る

エアキャップの端に基板を乗せて巻き付け、仕上げにビニールひもで縛って完成です。こんな状態でも半年以上問題なく使えています。

16V化

154ページの電圧変更を行ってみます。

購入部品

以下の部品を購入しました。

用途商品名価格合計購入店舗
C4用コンデンサMUSE FG 25V 100uF\201\20秋月電子
C3用コンデンサMUSE FG 25V 220uF\401\40秋月電子
電圧変更用REX音響用炭素皮膜抵抗 4.3kΩ\201\20千石電商
16V化用部品

コンデンサはどうせ変えるならと言う事でニチコンのオーディオ向けコンデンサのファインゴールドを選びました。抵抗は音響用を選ぶ必要はなかったのですが、4.3kΩの物が見あたらなかったので今回の物にしました。

オーディオ向けコンデンサの大きさ

交換前コンデンサの大きさ 交換後コンデンサの大きさ

耐圧25V容量220uFの通常とオーディオ向けの大きさ比較です。同じスペックながらオーディオ向けの方が一回り大きくなっています。

交換前後コンデンサの高さ 交換後コンデンサの足の太さ

高さもオーディオ向けの方が高くなっています。今回は高さ制限がないので胴回りだけ気にすれば大丈夫ですが、ケースなどの狭いスペースに納める場合は注意が必要です。また、オーディオ向けコンデンサは足の太さも大きくなっており、もとの0.48mmに対して0.58mmになっています。太すぎると基板の穴に足が通らない事もあります。

耐圧や容量が増えるほど通常品との差が大きくなっていきます。今回はオーディオ向けコンデンサMUSE FGを購入しましたが、同社の上位品MUSE KZではさらに大きくなります。

交換前の電圧

変更前電圧

約12Vです。

作業

抵抗の取り付け

加工前抵抗 曲げ加工後抵抗

抵抗を取り付けしやすいようにラジオペンチで曲げます。高さは元のコンデンサより少し低くなる程度にしました。カット時に微妙にずれていたので、両端の足の長さをヤスリで整えておきました。長さを合わせないと取り付け時にまっすぐに立てる事ができません。

作業の支障となるコンデンサ

R30の位置に抵抗を取り付けますが、そばのコンデンサが邪魔で取り付けられないので外します。

邪魔なコンデンサを外す

コンデンサを外しました。これぐらいのスペースがあれば抵抗の取り付けもできそうです。

抵抗の取り付け

抵抗を取り付けます。チップ抵抗の両端にフラックスを塗り、ハンダごての先端にハンダを少し盛ってから、ラジオペンチで抵抗の上の部分をつかんで位置を合わせて押さえ込み、ハンダを盛ったこての先端を足に当ててハンダ付けしました。ハンダごてはすぐに離さずに数秒程度気持ち長めに当てておくとしっかり取り付けられます。

外したコンデンサを戻す

外したコンデンサを戻しておきます。抵抗の高さをコンデンサ以下にしてあるので、そばのコンデンサがちょっとしたガードになります。

C3コンデンサ交換

C3コンデンサ C3コンデンサ取り外し

コンデンサを外します。

C3コンデンサ取り付け C3コンデンサのスペース

コンデンサを取り付けます。スペースはぎりぎりでしたがぴったり収まりました。

C4コンデンサ交換

C4コンデンサ C4コンデンサ取り外し

コンデンサを外します。

C4コンデンサ取り付け 作業終了

コンデンサを取り付けます。これで作業が終了です。

交換後の電圧

交換後電圧

電圧が約16Vになっています。

作業後

交換直前に使っていたUF-30のボアボアとした低音が改善しました。

抵抗交換

153ページの抵抗交換を行ってみます。

購入部品

以下の部品を購入しました。

用途商品名価格合計購入店舗
HPA用R8/R10抵抗DALE RN55 33.2Ω\502\100千石電商
LINE用R5/R6抵抗REY音響用金属皮膜抵抗 300Ω\302\60千石電商
交換用抵抗

ヘッドホンアンプ用にRN55を選びました。自作機器で全ての抵抗をDALEにすると結構な金額になりますが、今回のように単発で使う分には安い物です。ついでにRCA直前の抵抗も変更してみます。

作業

抵抗の足曲げ

33Ω付近 300Ω付近

ヘッドホンアンプ用の抵抗は余裕があるので普通に足を曲げればよいです。ライン用の方は穴の感覚が抵抗の大きさとほぼ同じなので少し手を加えます。

33Ω足曲げ 300Ω足曲げ

300Ωの抵抗の足をそのまま下ろさず、カーブを作って曲げます。これで無理な負荷なく取り付けができます。

ヘッドホンアンプ用抵抗の交換

HPA抵抗 HPA抵抗取り外し

抵抗を外します。

HPA抵抗取り付け

新しい抵抗を取り付けます。

ライン用抵抗の交換

LINE抵抗 LINE抵抗取り外し

抵抗を外します。

LINE抵抗取り付け

新しい抵抗を取り付けます。

交換後

UF-30では変化を感じませんでしたが、ATH-CL6Rに変えてみるといい具合に聞けます。電圧変更の段階で聞いた時はさほど良くなった感じはなかったような気がするので、抵抗の影響が多少はあるのかもしれません。

コンデンサ交換

154ページのコンデンサ交換を行ってみます。もし次の項目のように全てのコンデンサを交換する場合は同時にした方が楽です。

購入部品

以下の部品を購入しました。

ライン出力用カップリングコンデンサ

用途商品名価格合計購入店舗
C88/C31用コンデンサMUSE FG 50V 10uF\102\20秋月電子
C39/C38用コンデンサMUSE FG 50V 22uF\202\40秋月電子
ライン用コンデンサ ライン用コンデンサ位置

耐圧は50Vもいりませんが小容量の低い耐圧の物はなかったので50Vにしています。

ヘッドホンアンプ用カップリングコンデンサ

用途商品名価格合計購入店舗
C16/C21用コンデンサMUSE FG 50V 4.7uF\302\60海神無線
C45/C32用コンデンサMUSE KW 25V 220uF\1102\220三栄電波
ヘッドホンアンプ用コンデンサ ヘッドホンアンプ用コンデンサ位置

C45/C32のコンデンサは隙間がないのでFGより小型のMUSE KWを使います。

ライン出力用コンデンサ交換

C88/C31用コンデンサ

C88/C31コンデンサ C88/C31コンデンサ取り外し

コンデンサを外します。

C88/C31コンデンサ取り付け

コンデンサを取り付けます。

C39/C38用コンデンサ

C45/C32コンデンサ C45/C32コンデンサ取り外し

コンデンサを外します。

コンデンサの極性間違い C45/C32コンデンサ取り付け

外側の3つのコンデンサだけ極性が変わっているのを忘れて逆向きに付けてしまいました。付け外しは面倒なので取り付け前によく確認した方がよいです。

ヘッドホンアンプ用コンデンサ交換

C16/C21/C45/C32コンデンサ C16/C21/C45/C32コンデンサ取り外し

今回はコンデンサが隣接しているので4本まとめて外しました。

C16/C21/C45/C32コンデンサ取り付け

コンデンサを取り付けて作業終了です。

交換後

交換前と比べて音が明瞭になりました。

コンデンサ交換その2

中央付近の他のコンデンサも交換してみます。

購入部品

以下の部品を購入しました。

用途商品名価格合計購入店舗
C7/C6用コンデンサMUSE KW 25V 100uF\702\140三栄電波
C87/C37/C30用コンデンサMUSE FG 25V 47uF\403\120海神無線
中央付近用コンデンサ 中央付近用コンデンサ位置

C7/C6の100uFをKWにしています。

作業

中央付近用コンデンサ取り外し前 中央付近用コンデンサ取り外し後

コンデンサを外します。

中央付近用コンデンサ取り付け スペースのないコンデンサ

取り付けました。手前のC30はスペースがなくてやや無理に取り付けてありますが、これぐらいなら大丈夫でしょう。ここもKWにしておけば無理なく付けられます。

交換後

特に変化は感じませんでした。

20V化失敗

電圧をさらに上げ、ついでに残りのコンデンサも交換します。

購入部品

以下の部品を購入しました。

用途商品名価格合計購入店舗
電圧変更用REX音響用炭素皮膜抵抗 2kΩ\251\25マルツ
C18用コンデンサMUSE FG 50V 10uF\101\10秋月電子
C33用コンデンサMUSE FG 50V 10uF\101\10秋月電子
C2用コンデンサMUSE KW 25V 100uF\701\70三栄電波
購入部品@20V 左側コンデンサ位置

抵抗は2.1kがあればちょうど良さそうですが、ないので2kにしています。何となく色合いがしっくり来たので16V化の時と同じ種類の抵抗を選んでいます。C4の交換をしていない場合は耐圧25Vの物を用意して変えてください。

抵抗デフォ4.3k2.2k2.1k2.0k
計算12.08V15.86V19.47V19.82V20.21V
TP212.10V15.91V20.28V
TP36.06V7.96V10.15V
TP46.04V7.94V10.11V

作業

部品取り外し

部品外し前 部品外し後

C18/C33/C2と16V化時に取り付けた抵抗を外します。

R30に抵抗を取り付け コンデンサ取り付け

部品を取り付けます。交換後の電圧は20.28Vになりました。

RMAA

各電圧時のRMAAの結果です。現在の基板むき出しの環境だと置く位置や周囲の環境によって値が変動するので、位置を調整して「Frequency response」が同じぐらいになるようにして計測をしています。

電圧を上げると「Noise level」、「Dynamic range」、「THD + Noise」の数値が改善するようです。他の項目は若干変化していますが誤差程度でどの電圧でも毎回微妙に異なります。これまでに行ったコンデンサ交換では数値に目立った変化はありませんでした。

12V16V20V
Frequency
response
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.29
Good
Noise level-64.1
Poor
-68.1
Average
-58.1
Poor
Dynamic range64.1
Poor
68.1
Average
58.1
Poor
THD0.010
Good
0.011
Good
0.032
Good
THD + Noise-58.0
Poor
-61.9
Poor
-52.0
Poor
IMD + Noise0.140
Average
0.112
Average
0.260
Average
Stereo crosstalk-78.0
Very good
-78.4
Very good
-78.6
Very good
IMD at 10 kHz0.134
Average
0.132
Average
0.246
Average
General
performance
GoodGoodAverage

交換後に音を出してみると良くなったようには聞こえません。RMAAをしてみると16Vと比べて数値が悪くなっています。

C4コンデンサの容量を増やす

C4に並列接続

C4の裏側に余っていたコンデンサを並列接続して容量を増やしてみました。

100uF
(20V)
100+220uF
(20V)
Frequency
response
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.29
Good
Noise level-58.1
Poor
-59.2
Poor
Dynamic range58.1
Poor
59.2
Poor
THD0.032
Good
0.045
Good
THD + Noise-52.0
Poor
-53.1
Poor
IMD + Noise0.260
Average
0.229
Average
Stereo crosstalk-78.6
Very good
-77.0
Very good
IMD at 10 kHz0.246
Average
0.218
Average
General
performance
AverageAverage

容量を増やした事で若干数値が良くなりました。今までコンデンサの容量は標準と同じにしていましたが、後で増量してみる事にします。

抵抗を外して12Vへ

抵抗外し前 抵抗外し後

今回のコンデンサ交換は3時間もかけてしまい、ランドが取れかけるなど酷い有様でした。熱のかけ過ぎでおかしくなってしまったのか気になっていたので確認のため抵抗を外してみました。

元の12V今の12V
Frequency
response
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.29
Good
Noise level-64.1
Poor
-66.3
Average
Dynamic range64.1
Poor
66.3
Average
THD0.010
Good
0.0097
Very good
THD + Noise-58.0
Poor
-60.1
Poor
IMD + Noise0.140
Average
0.108
Average
Stereo crosstalk-78.0
Very good
-79.4
Very good
IMD at 10 kHz0.134
Average
0.106
Average
General
performance
GoodGood

抵抗を外してみると数値が正常に戻りました。C4に220uFを追加しているのが効いたのか若干数値も良くなっています。とりあえず壊れてはいないようです。

コンデンサ増量前にしておきたい作業があるので中断して別の作業に移ります。

C11交換

5月号の作品で触れられていたC11交換をします。チップコンデンサのC11を交換する事で、イヤホンや一部のヘッドホンで気になるピーと鳴り続けるノイズが消えるそうです。

直前の項目の続きで電圧は12V、C4に増設していた220uFは作業の邪魔なので外しています。

購入部品

以下の部品を購入しました。

用途商品名価格合計購入店舗
C11用コンデンサチップコンデンサ 50V 180pF\1010\100共立電子
チップコンデンサ C11の位置

10個単位の注文なので10個注文しています。

作業

C11の外し方 C11取り外し後

チップコンデンサは横からハンダごてを当ててハンダを溶かし、ピンセットやラジオペンチで引っ張れば外れます。ハンダごての先端にハンダを少し盛っておき、盛ったハンダの部分を当てれば元のハンダが溶けやすいです。

C11取り付け準備 取り付けるコンデンサ

汚れた部分は綿棒にジッポオイルを付けて拭き取れます。ハンダを少し盛りフラックスを塗って取り付け準備をします。新しく取り付けるチップコンデンサをあてがってみると微妙に大きいです。

ハンダ付け右側 ハンダ付け左側

コンデンサを端子にかぶせた状態で、マイナスドライバなどで上から軽く押さえ続けます。ハンダごての先にハンダを少し盛って、ハンダを盛った部分を真横から当てます。ハンダが溶けてもチップを押さえながらこては離さずにそのまま2~3秒待てばハンダ付けが完了します。片側ずつハンダ付けを行います。

C11取り付け後手前 C11取り付け後真上

微妙に斜めになっていますが取り付けが完了しました。最初に付けた画像右側の端子がやや浮いていたので、もう一度上から押さえながら横からハンダごてを当ててしっかり取り付けています。

交換後

サウンドデバイス設定

OT2を接続しボリュームを最小にしてヘッドホン出力へE4cを接続し、ボリュームを上げた時にWindowsの効果音などが鳴ると怖いのでサウンドデバイスを他の物に設定してから確認しました。この状態で音量を最大にしてもピーというノイズは一切聞こえません。サーというノイズが目立つようになりましたが、これはもともとある物です。

アルミホイル

アルミエアキャップカバー中身 アルミエアキャップカバー取り付け

初めに出てきたエアキャップカバーですが、これにアルミホイルを挟めばノイズに影響があるかと思い、基板の下に厚紙を敷いて付けてみましたが、特に影響はありませんでした。まあ別にこのままでいいかとそのままにしていました。

RMAA

C11交換前結果1結果2
Frequency
response
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.29
Good
Noise level-64.1
Poor
-73.3
Average
-82.7
Good
Dynamic range64.1
Poor
73.3
Average
82.7
Good
THD0.010
Good
0.011
Good
0.0073
Very good
THD + Noise-58.0
Poor
-67.1
Average
-74.5
Average
IMD + Noise0.140
Average
0.077
Good
0.027
Good
Stereo crosstalk-78.0
Very good
-76.7
Very good
-81.0
Very good
IMD at 10 kHz0.134
Average
0.085
Good
0.033
Good
General
performance
GoodGoodGood

C11交換後のRMAA結果ですが結果1と2に大きな差が出ています。交換後に何度かRMAAを行ったのですがダイナミックレンジの値が60~80と大きく変動しました。ここまで変動する事はなかったので何が原因だろうといろいろ試していると、アルミ入りエアキャップをしっかり巻くかどうかが影響するようです。今まで大した影響がなかったので測定時は適当に巻いていたのですが、エアキャップ(アルミ)をしっかり巻き付けるとダイナミックレンジの値が80越えになります。

ピーノイズがなくなった事により、今まで誤差程度だったアルミホイルのシールド効果が出てきたようです。これぐらいでも効果があるので、アルミケースに取り付ければノイズをしっかり防いでくれそうです。

以前試した時にRCA端子のライン出力にはピーノイズがなかったような気がします。RMAAの測定はRCA端子からのライン出力を他のサウンドデバイスに入れて測定していますが、ピーノイズの影響がなさそうなライン出力でもRMAAの数値が大きく改善しています。C11の変更はピーノイズが消える以外にもメリットがあるのかもしれません。

水晶交換

5月号の作品で触れられていた水晶の交換をします。作業前に西川和久の不定期コラム インプレスジャパン「DVK-UDA01」の回路図と本誌の回路図を見比べてみると分かりやすいです。

購入部品

以下の部品を購入しました。

用途商品名価格合計購入店舗
水晶発振器高精度温度補償型水晶発振器 FOX924B 12MHz\7801\780共立電子
配線材LANケーブル 3m\1051\105セリア
水晶発振器 水晶の位置

画像の白い線の1辺が1cmなので相当小さいです。

部品外し

外す部品 部品外し後

C24/C25/R37/水晶発振器の4つを外します。チップ部品はC11と同じ手順、水晶は電解コンデンサと同じ要領でいけます。

水晶発振器

水晶発振器の端子

外す部品 部品外し後

裏表逆にすると端子の配置がごっちゃになりやすいので要注意です。表面の左下の点、裏面の端子内側にある斜めの切れ込みが目印になります。

水晶発振器の動作

発信器の動作

この水晶発振器はプラスとマイナスに電気(3.3V)をかけると、クロックが出力されます。

#3 クロック出力の接続先

PCM2704の28番ピン 28番ピンの接続先

水晶発振器が出力したクロックはPCM2704の28番ピンに接続します。元の水晶発振器が付いていた端子が28番ピンにつながっているので、そこにFOX924Bの#3端子の出力をハンダ付けすればOKです。隣の端子は1番ピンにつながっているはずなので、取り付け時に間違わないようにしてください。

#4 Vcc 3.3V

3.3V位置 TP1端子

3.3VはUSB端子のそばにあります。FOX924Bの#4端子はここに接続します。少し遠いので別途ケーブルを用意しないと届きません。

#2 GND

水晶付近のGND位置 水晶付近の推奨GND

GNDは水晶周辺だけでもいくつかあります。小さい丸もGNDですがハンダ付けができないので使わない方がいいでしょう。黄色い丸で囲った部分が無難です。

足の取り付け

FOX924Bはそのままでは取り付けできないので足を付けます。

足部品

細い金属はコンデンサのハンダ付け後に切り取った足、皮膜付きの線は100均のLANケーブルです。

作業例1

テープで水晶を固定 端子に足をハンダ付け

水晶をテープで固定し、端子にフラックスを塗り、端子にハンダ付けをします。端子が小さいため、ハンダは極力少なめにした方がよいです。

このやり方だと細かな作業なので足を付ける時に手が震えて難しいです。そこでハンダ付けの方法を少し変えてみます。

作業例2

足をラジペンで固定 端子に足をハンダ付け

まず前の手順と同じように端子にフラックスを塗り、テープで固定します。次に、ラジオペンチで足をつかんで床と水平にします。足の高さは水晶の端子に合うように調整してください。ラジオペンチを垂直に立てたまま移動し、足の先端が水晶の端子に当たるようにします。ハンダごての先端にハンダを少量盛っておき、端子と足の上から軽く当てて離します。これで足のハンダ付けが簡単にできます。

ケーブルをラジペンで固定 端子にケーブルをハンダ付け

LANケーブルも同じようにハンダ付けしました。

足を曲げる 切れたケーブル

取り付け位置に合わせて足を曲げました。取り付け位置の調整中にケーブルを動かしていたところ切れてしまいました。

ケーブルのハンダし直し

今度はケーブルの向きを変え、皮膜を剥いだ部分を短めにして取り付けました。

水晶を基板に取り付け

ハンダ付け準備

配線の割り当て

今回はこんな配線にしてみました。上でやめた方がよいと書いた小さな穴を利用しています。

3.3V端子に合わせてカット ケーブルの被膜剥ぎ

3.3V端子に合わせてケーブルをカットし、いったん水晶を外してから皮膜を剥ぎました。これでハンダ付けの準備ができました。

#2と3のハンダ付け

#2と3のハンダ付け #2のハンダ付け

足の方からハンダ付けをしてみます。#3の方は問題ありませんが、#2の方はランドがないのでハンダ付けができません。足の付け直しからやるのは面倒なので、そばにあったUSB端子の外枠のGNDまで足を伸ばして無理矢理ハンダ付けをしました。

#4のハンダ付け

#4のハンダ付け

残りの3.3V端子にハンダ付けをします。これで水晶交換が終了です。

RMAA

少し数値が良くなっています。

交換前交換後
Frequency
response
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.29
Good
Noise level-82.7
Good
-85.4
Good
Dynamic range82.7
Good
85.4
Good
THD0.0073
Very good
0.0068
Very good
THD + Noise-74.5
Average
-76.8
Average
IMD + Noise0.027
Good
0.018
Very good
Stereo crosstalk-81.0
Very good
-80.2
Very good
IMD at 10 kHz0.033
Good
0.024
Good
General
performance
GoodGood

交換後

AH-D1000やHD580などのOT2と組み合わせた時にこもった感じだったヘッドホンが以前より聞けるようになりました。また、昇圧抜きでUE-30の低域のもこもこ具合が改善しています。

破損

GND配線の酷さが気になってしまい、付け直す事にしました。

水晶とチップの距離 配線図
#2-3拡大 #4拡大

水晶はなるべく近い位置に配置した方がいいらしいので、今回は極力短めの配線になるようにしてみました。

Take2 水晶の足付け Take2 配線

足が短くなった事で作業難度が上がり、ハンダ付けに時間をかけてしまいました。その結果、音は出ますが高めの音が耳障りな音を出すようになり使い物にならなくなってしまいました。

Take2 やり直し

余裕を持った配線でやり直してみましたが直りません。直前の作業でどこか壊してしまったようです。

新しい水晶の取り付け

新しい水晶 配線図

新しい水晶が届きました。右の画像は悪あがきで何度か水晶を付け直した後の基板です。この配線がやりやすかったので、新しい水晶でも同じ配線にします。

足の取り付け 新しい水晶に交換完了

交換後は正常に鳴るようになりました。上の作業では水晶を壊したようです。

別角度1 別角度2

一度壊した人が書くと説得力はないですが、基板の配線ポイントをよく確認し、余裕を持った配線をすればさほど難しくない作業です。足の取り付けはラジオペンチで足を固定するやり方で時間をかけて位置決めをしてから、ハンダ付けをすれば水晶に熱を加える時間はごくわずかなので壊す事はまずないでしょう。

20V化続き

オペアンプ手前のコンデンサ容量を増やし、インダクタ交換、オペアンプにパスコンを追加します。

購入部品

以下の部品を購入しました。

用途商品名価格合計購入店舗
C4用コンデンサMUSE KZ 25V 1000uF\1201\120秋月電子
C7/C6用コンデンサMUSE FW 16V 220uF\802\160三栄電波
C37/C30用コンデンサ(MUSE KW 25V 100uF)流用\702\140三栄電波
電圧変更用REX音響用炭素皮膜抵抗 2.7kΩ\201\20千石電商
購入部品 交換場所

18V化も視野に入れて2.7kΩの抵抗も用意しました。

抵抗デフォ4.3k3.0k2.7k2.0k
計算12.08V15.86V17.50V18.10V20.21V
TP212.10V15.91V20.28V
TP36.06V7.96V10.15V
TP46.04V7.94V10.11V

C7/C6/C30/C37交換

C7/C6/C30/C37交換前 C7/C6/C30/C37交換後

C7/C6/C30/C37のコンデンサを交換しました。

C4交換

C4交換前 C4交換後

C4のコンデンサを交換しました。コンデンサの足はほとんど切らずにぎりぎり先端が基板に刺さる程度に調節しています。マイナス側の足と基板の穴をあわせ、プラス側は画像のように曲げを増やして位置を合わせています。水晶を背の低い物に交換していないと、このような取り付け方はできません。

虫ゴムで絶縁 ホットボンドで固定

むき出しの足に熱収縮チューブを通そうとしましたが、曲げた後では通らなかったので自転車の虫ゴムを付けています。このままではぐらつくのでホットボンドでUSB端子に固定しています。

20V化

外したR30のパラ抵抗 外した抵抗を取り付け

前回外していたR30の抵抗を取り付けます。これで20Vになりました。

4.78V

音がひび割れるようになり、RMAAで測定ができなくなりました。TP2の電圧を測ると4.78Vになっています。R30のチップ抵抗がしっかり付いていないとこうなるようです。

40V?

R27とR30でブリッジ

TP2の電圧を計った時にちらっと40Vらしき数字が目に入ったので即ケーブルを抜きました。隣のR27とブリッジしていたのが原因でした。表示の見間違いか、すぐに取り外したのが良かったのか影響はありませんでした。

RMAA

コンデンサを4つ交換する事でクロストークの値が改善しましたが音の変化は分かりません。C4の交換は220uFを増量した時と違って変化はありませんでした。20Vは前回と同じように値が悪くなっています。

元の12VCを4つ交換C4交換20V
Frequency
response
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.30
Good
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.29
Good
Noise level-86.5
Good
-86.7
Good
-86.4
Good
-77.7
Average
Dynamic range86.5
Good
86.7
Good
86.3
Good
77.7
Average
THD0.0058
Very good
0.0064
Very good
0.0069
Very good
0.0071
Very good
THD + Noise-77.8
Average
-77.4
Average
-77.5
Average
-71.1
Average
IMD + Noise0.017
Very good
0.018
Very good
0.016
Very good
0.039
Good
Stereo crosstalk-80.8
Very good
-86.9
Excellent
-87.1
Excellent
-82.7
Very good
IMD at 10 kHz0.025
Good
0.025
Good
0.026
Good
0.045
Good
General
performance
GoodVery goodVery goodGood

抵抗の取り外しと紛失

外れかけのR30 外れたR30

20Vの結果がいまいちなので元の電圧に戻すかと増設した抵抗を外す時、チップ抵抗が取れかけました。それを取り付けようと四苦八苦していると完全に取れてしまい、ピンセットでつかんだらどこかに飛んでいきました。

故障SATAカードからチップ抵抗1kΩを回収

SATAカード 1kΩチップ抵抗

何か抵抗の代用品がないかと探していたところ手持ちの壊れたSATAカードに1kΩのチップ抵抗がありました。これを利用する事にします。

外したチップ抵抗 1kΩチップ抵抗を取り付け

チップ抵抗を外しR30に取り付けました。

チップ抵抗交換後の電圧

R30の抵抗値1kΩ1kΩ+4.3kΩ
計算17.5V21.28V
TP217.5V21.29V

R30を1kΩの抵抗にすると17.5Vになります。さらに16V化で使った4.3kΩの抵抗を足すと21Vになります。

インダクタ交換

用途商品名価格合計購入店舗
L1/L2用インダクタRTP8010-221M 220uH\1412\282マルツ
インダクタ位置 インダクタの足曲げ

インダクタの足は硬いので根本をラジオペンチの先端でつかみ、マイナスドライバなどを当てて曲げます。

周辺部品の撤去 R30の付け直し

そのままの状態ではインダクタの付け外しは難しいのでC3とC4も外しました。ついでに斜めになっていたR30の抵抗をまっすぐに付け直しました。これだけスペースがあると作業も簡単です。元のインダクタは端子の両端にハンダを盛って溶かしながらラジオペンチでねじって取りました

インダクタのランドにハンダを盛る インダクタの取り付け

端子にハンダを少し盛っておくと、インダクタを上にのせて押さえつけ、横からハンダを溶かすだけで取り付けができます。ハンダごての先端にハンダを少し盛っておけばすぐ溶け始めます。

インダクタ横から1 インダクタ横から2

こんな具合に足がハンダに埋もれています。ハンダを溶かしている時にインダクタを少し動かしてまっすぐになるように調整します。

インダクタ交換完了

しばらくR30をいじるのでC3のコンデンサを元に戻しました。L1のインダクタは足がランドの中央に来るように調整しましたが、初期コンデンサで画像のように隙間無しのぴったりくっついた状態なので、大きめのコンデンサを使っている場合は足が外側になるように調整した方が良いでしょう。

RMAAその2

インダクタ交換の影響か21Vのダイナミックレンジが改善しています。音に目立った変化はありません。

12V20V17.5V17.5V L交換21V L交換
Frequency
response
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.30
Good
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.29
Good
Noise level-86.4
Good
-77.7
Average
-83.2
Good
-84.5
Good
-85.6
Good
Dynamic range86.3
Good
77.7
Average
83.3
Good
84.5
Good
85.6
Good
THD0.0069
Very good
0.0071
Very good
0.0067
Very good
0.0068
Very good
0.0066
Very good
THD + Noise-77.5
Average
-71.1
Average
-75.4
Average
-76.0
Average
-76.8
Average
IMD + Noise0.016
Very good
0.039
Good
0.025
Good
0.019
Very good
0.018
Very good
Stereo crosstalk-87.1
Excellent
-82.7
Very good
-86.5
Excellent
-86.1
Excellent
-79.9
Very good
IMD at 10 kHz0.026
Good
0.045
Good
0.032
Good
0.027
Good
0.025
Good
General
performance
Very goodGoodGoodGoodGood

パスコン追加

購入部品

以下の部品を購入しています。

用途商品名価格合計購入店舗
オペアンプ用丸ピンICソケット 08pin\262\52共立電子
オペアンプ用PMLCAP 0.1uF\702\140秋月電子
購入部品@パスコン

オペアンプのソケット交換

パスコンを取り付ける前にソケットを丸ピンの物に交換します。

オペアンプを外す

ソケットの端子に熱がかかるので、事前にオペアンプを外します。

ソケットの中央部分 ソケット中央をカット

元のソケットが不要なら、ニッパーで中央部分をカットして4ピン状態にすると外しやすいです。

ソケット取り外し ソケット取り付け

取り外しと比べて取り付けは非常に容易ですが、ソケットの切り抜きの向きを間違えるとやり直しになるのでよく確認します。

オペアンプにパスコン追加

足の先端をL字に曲げる PMLCAP荷足を取り付ける

コンデンサの切れ端の先端をL字に曲げてPMLCAPの足にします。足は水晶の時と同じ要領で取り付けます。

画像のように取り付け後にL字の部分がはみ出ると、オペアンプの他の端子に接触する危険があります。なので、事前にL字の余剰部分を削っておくべきでした。

取り付け例1真上 取り付け例1手前

足を短くカットして斜めにして取り付けました。L字の出っ張りが他のオペアンプのピンに接触しそうになり、微調整が必要でした。

曲げようとして足が取れた 足と一緒に電極も?

足がまっすぐで斜めに取り付けるのはショートしそうだったので、足を曲げて取り付けようとしたところ、PMLCAPの電極らしき部分と一緒に根本から剥がれました。事前に曲げておくか、曲げずに付けた方がよいかもしれません。

表面にハンダをかぶせて取付

側面の他に表の端も通電しているようなので、そこにハンダがかぶるようにして取り付けました。怪しい取り付け方ですが一応機能しているようなので、水晶の時のように下手にいじって壊すと面倒なのでこのままにします。

足の取り付け位置

オペアンプの4-8ピンに取り付けます。

これまで16V以外の昇圧状態の音は何をしても変わったようには聞こえませんでしたが、パスコン追加で一変して16V化時のような良い変化が起きました。

RMAA

オペアンプにパスコンを追加する事で数値が大きく伸びて音もだいぶ良くなりました。

元の21Vパスコン追加
Frequency
response
+0.16, -0.29
Good
+0.16, -0.30
Good
Noise level-85.6
Good
-89.5
Good
Dynamic range85.6
Good
89.7
Good
THD0.0066
Very good
0.0067
Very good
THD + Noise-76.8
Average
-78.5
Average
IMD + Noise0.018
Very good
0.014
Very good
Stereo crosstalk-79.9
Very good
-85.1
Excellent
IMD at 10 kHz0.025
Good
0.023
Good
General
performance
GoodGood

簡易電圧変更

元のチップ抵抗がどこかに行ったR30にピンを増設して電圧の変更が容易にできるようにします。

購入部品

用途商品名価格合計購入店舗
R30の値変更用ピン丸ピンICソケット 40P\1001\100秋月電子
電圧設定用抵抗KOA 金属皮膜抵抗
1.8k/1.5k/1.1k/1.0k/970/820Ω
\106\60千石電商
C3用コンデンサMUSE KZ 25V 220uF\401\40秋月電子

ICソケットの加工

40ピン

40ピン分もあるので結構長いです。

端の2ピンをカット もう1ピンカット

端の2ピンをニッパーでカットしました。ピンの間の中央を切ったつもりですが、切り出し元の方のピンの端が欠けてしまっています。もう一度1ピンだけカットしてみましたが、やはり端が欠けてしまいます。

ピンの出っ張り 出っ張りをヤスリがけ

カット時に欠けた部分が出っ張っているのでヤスリがけをします。

ピンの足曲げ ピンの足曲げ手前

ピンの根本をピンセットでつかんで足を曲げました。

切り出したピン

外装を外したピン

今回の作業とは関係ありませんが、欠けたピンの外装を外してみました。

0.75mm 0.55mm

MUSE KZの0.75mmは付けられませんが、MUSE FGの0.55mmは取り付ける事ができました。他の汎用部品は0.45mmだったので、このピンを使えば他の部分でもちょっとした部品交換ができそうです。

ICソケットの取り付け

C3を外した R30拡大

C3を外してR30の取り付けにかかります。

C33のランド

そばのC2とC33も外しておきたいところですが、C33のランドが画像のように半分剥がれている状態なので取り外しは厳しいです。

ICソケットの取り付け パターンが剥がれている

何とか取り付ける事はできましたが、触れると不安になるぐらいぐらつきます。作業に手間取り何度も付け直したのが原因で配線パターンが剥がれてしまったようです。

パターン剥がれ パターン剥がれ後ろ

かなりまずい事になっています。

抵抗の加工

抵抗6本 抵抗を1本曲げる

剥がれかけのパターンの事はひとまず忘れて抵抗をいじります。適当に1本取り、ICソケットにさせるように曲げます。

抵抗の仮取り付け 抵抗を少し切って調整

空いてるソケットに実際に差して確認し、長さを調整してなるべく高さが低くなるようにします。

加工した抵抗を余ったICピンに差しておく

最初に曲げた抵抗に合わせて他の抵抗も曲げていきます。余った40ピンソケットに抵抗の値順で差しておくと交換時にわかりやすいでしょう。

作業に難航している時に何度か40ピンソケットから2ピンを切り出そうとしましたがうまくいかず、こんなに短くなってしまいました。

抵抗の値

今回購入した抵抗の値です。

R30に抵抗を単体で取り付けた場合の電圧

R30の抵抗値1.8kΩ1.5kΩ1.1kΩ1.0kΩ970Ω820Ω
計算10.28V12.08V16.02V17.5V19.11V21.07V
TP210.26V12.05V16.01V17.48V19.11V21.03V
TP35.14V6.04V8.02V8.77V9.59V10.54V
TP45.12V6.02V7.99V8.70V9.51V10.46V

動作確認

C3/R30取り付け後ろ側 C3/R30取り付け前側

C3とソケットに抵抗を取り付け電圧を測ってみると正常に動作しているようです。音も問題なく鳴ります。

ICソケットの固定

ICソケットの固定 ソケット固定逆側

何度か抵抗を付け替えてみましたが、数回で取り外し時の手応えがまずくなってきたので、ソケットの足や周辺の隙間を埋めるようにホットボンドを流し込んで固定しました。

C3の交換

MUSE KZ大きさ比較 MUSE KZ足の太さ

前回は元のコンデンサと同容量のMUSE FGを使いましたが、今回は同容量のMUSE KZにしてみます。FGも通常品と比べて一回り大きかったですが、KZはもう一回り大きくなっています。

足を曲げて 虫ゴムかぶせてハンダ付け

C4の時と同じ要領で足を曲げて位置を決め、虫ゴムで絶縁してからハンダ付けをしています。

ホットボンドで固定

ホットボンドで固定しました。

抵抗交換その2

これまでの部品交換でだいぶ音が良くなってきたので、さらに交換をしてみます。

購入部品

用途商品名価格合計購入店舗
R12/R13用REYオーディオ用金属被膜抵抗 510Ω\302\60千石電商
R8/R10用NS-2B(3W) 33Ω\4302\860海神無線

NS-2Bは店頭で陳列されていなかったので店の人に商品名と値を伝えて購入しました。

R8/R10交換

R8/R10抵抗位置 R8/R10抵抗取り外し

以前交換した抵抗を外します。

NS-2B NS-2Bの足曲げ

NS-2Bの足を曲げます。サイズが大きいので縦にして取り付けます。

熱収縮チューブの長さ

足に熱収縮チューブを取り付けます。画像の長さは25mm弱ですが若干足りなかったのでもう少し長い方がいいです。

RS-2Bの取り付け RS-2B取り付け後手前

熱収縮チューブをかぶせてRS-2Bを取り付けました。RS-2Bの足の太さはMUSE KZと同じ0.75mmと太いので取り付け前にしっかりハンダを取り除く必要があります。

交換後は若干音が明瞭になりました。

R12/R13交換

RS-2B取り付け後手前 RS-2B取り付け後手前

R12/R13はボリュームのすぐ上にあります。画像はケース作成の途中の段階で、ボリュームは既に取り外してあります。ボリュームを外しただけでは作業は難しいので周囲のコンデンサC32/C30も取り外し、その後にチップ抵抗を外しました。

REY510Ω 足曲げ

最初のR30取り付けと同じ要領で足を曲げます。

R12/R13の取り付け C32/C30の取り付け

内側の足のハンダ付けをする時に、もう片方の足にもハンダごてが当たって溶けてしまうため単品と比べて難しい作業です。

交換後、ケースができるまでに結構な時間がかかったので効果はよく分かりませんでした。

ケース加工

部品交換が終わったので基板をケースに収めます。

購入部品

以下の部品を購入しました。

用途商品名価格合計購入店舗
ケースタカチ YM-100\5201\520千石電商
基板固定手持ちネジ4
スペーサー固定M3 x 6ステンレスネジ\64\24コーナン
スペーサーASB-308E(8mm)\404\160千石電商
ボリュームR1610G-RB1-A203\1401\140マルツ
つまみ12X12BPS ツマミ 12φ\1151\115マルツ
RCA端子RJ-2008BT/R 赤\1501\150秋月電子
RCA端子RJ-2008BT/W 白\1501\150秋月電子
3.5mm端子MJ-073H\601\60秋月電子
アクリル棒1東急ハンズ

スペーサーは今回のケースの中央あたりにUSB端子がくるように高さ8mmの物を選んでいます。アクリル棒は昔東急ハンズで購入した物の切れ端で詳細不明です。基板固定用のネジは手持ちの中から8mmスペーサーに取り付けられる3mm以下の物を使っています。

タカチ YM-100

YM-100手前 YM-100中身

今回はこのアルミケースを使います。

YM-100付属品

ゴム足、ネジ、ワッシャーが4つずつ付属していました。

基板の端子などの取り外し

ケースに引っかかる部分

そのままの状態ではケースの中に基板を納める事はできないので取り外します。

RCA端子の取り外し ボリュームの取り外し

RCA端子とボリュームを外しました。

ヘッドホン端子の取り外し

ヘッドホン端子を外しました。

ケースに収まるか確認

スペーサーとステンレスネジ スペーサーの取り付け

スペーサーとステンレスネジです。これを基板の4隅に取り付けます。ステンレスネジは磁化したドライバに付かず作業がしにくいので、普通の鉄製のネジにした方が良かったです。

ケースの隙間 隙間の原因

スペーサーを取り付けた基板を納めケースのふたを閉めたところ、ケースに若干隙間ができてしまっています。原因はNS-2Bの片側でした。いったん外して曲げ角度を変えて取り付ける事で無理なく収まるようになりました。

底面のスペーサー用穴開け

底面角付近の寸法 底面側面の寸法

底面に油性ペンで穴開け用の線を引きます。

USB端子の位置決め 線引きの確認

線は現物を当てながら決めています。USB端子はケースから出っ張らず、ケース側面の厚み内に先端が収まるように調整しました。側面の線はナットの角を縦にしてからケースに当て、ずれていないか確認しています。

ドリルで穴開け位置の確認 穴開け位置のずれ

写真を取り忘れましたが角に1つ穴を開けました。続けて対角部分の穴開けに取りかかります。線の交点にポンチで印を付けて穴を開けようとしましたが、一応確認しておこうと穴を開けた部分にスペーサーをネジ止め、基板を固定してから垂直にドリルを差し込んでみました。すると若干位置がずれていました。

3つ目の穴開け終了 スペーサーの取り付け

穴開けが終了してスペーサーを取り付けました。

基板の取り付け 基板とケースの隙間

多少のずれはありましたが基板をケースに固定する事ができました。隙間がほとんど無い状態なので、ずれが大きいと取付ができなくなります。この時点ではUSB端子がケースに当たるので、逆向きに基板を取り付けて確認しています。

USB端子の穴開け

USB端子の横にテープ テープ手前側

基板をスペーサーに固定していない状態でUSB端子をケースに接触させます。そのままUSB端子の両脇にテープを貼り、表側までテープを貼ります。

基板にスペーサーを取り付ける ケースのふたを裏返しにして乗せる

ケースに付けられたスペーサーをいったん外し基板に取り付けます。さらにケースのふた(厚みがケースの厚さと同程度)を裏返しにして基板を乗せて、USB端子の先端をテープの間になるように動かします。その状態でUSB端子の上側にテープを貼ります。

テープ貼り付け後 テープの下段部分の長さ

USB端子の高さを測って下側にテープを貼ります。このテープの内側の部分にうまく穴を開けられればUSB端子が通せるはずです。

ポンチで傷を付け ドリルで穴開け

穴開け手順です。上のスペーサー用穴開けもこの手順で行っています。まずはポンチで中央に傷を付けます。柔らかいアルミなので叩かなくても押しつけるだけで傷が付きます。そこにドリルを当てて穴を開けます。ここでは2mmのハンドドリルで穴を開けています。

リーマーで穴を広げる 棒ヤスリで穴を広げる

穴を開けたらリーマーを差し込んで穴を広げます。ある程度広がったら棒ヤスリで形を整えます。バリはニッパーで切り取りました。

穴開け内側 穴開け完了

内側を見てみるとまだまだ削り足りなかったので作業を継続します。このあたりからこまめに現物のUSB端子を当てて削りすぎないように気をつけます。作業が終わったらブロアーなどで金属の削りかすをしっかり掃除しておきます。この作業は手前の細いヤスリで行いました。

RCA端子用穴開け

位置決め

RCA端子 RCA端子の構成

取り付けるRCA端子です。GNDが絶縁されている物を購入します。

RCA端子の位置決め外側 RCA端子の位置決め内側

絶縁物をケースに当ててRCA端子取り付け位置を決めます。適当に中央に線を引いて取り付けるつもりでしたが、今回のケースはぎりぎりのサイズなので基板や中の部品に接触してしまう可能性があります。

RCA端子の位置決め縦線 RCA端子の線引き

横線を引き、定規を当ててコンデンサと当たらない位置に縦線を引きました。

穴開け

ポンチで目印 ドリルで穴開け

ポンチで目印を付けてハンドドリルで穴を開けました。

リーマーで穴を広げる ニッパーでバリ取り

リーマーで穴を広げ、バリはニッパーで切り取ります。現物あわせで確認しながら穴を広げすぎないように作業を進めます。

RCA端子取り付け 部品との接触確認

RCA端子を取り付け、中の部品に当たらない確認をします。

リーマーの目印 2つ目穴開け完了

もう1つも同じ要領で穴を開けます。リーマーで広げる大きさは同じなので、最初に穴を開けた穴にリーマーを差し込んでテープを巻けば、それを目安に穴をすれば楽にできます。

RCA端子の取り付け外側 RCA端子の取り付け内側

中の部品に接触せずに取り付ける事ができました。

前面の穴開け

3.5mm端子とボリューム アクリル棒

前面に取り付ける部品です。ヘッドホン用3.5mm端子はRCA端子と同様にケースの内側からナットを回しますが、ボリュームは外側からナットを回します。アクリル棒はLED用です。

前面の線引き 横線の高さ

前面に線を引きます。手前は若干のスペースがあるので横線を中央にしています。縦線はRCA端子の時と同じように定規を当てて現物あわせをしながら引いています。

ヘッドホン端子用穴開け

ヘッドホン端子用穴開け 3.5mm端子の接触確認

ヘッドホン端子用の穴を開けます。うまく抵抗の間に収まりました。

ボリューム端子用穴開け

爪用の目印 ボリュームの爪

ボリュームには本体の回転防止用に爪が付いています。この爪を通す位置にも線を引いておきます。ボリュームの取り付け方向によって爪の位置が変わるので気をつけてください。

ずれた穴の位置 穴を横に広げてずれ調整

穴開け位置が左側にずれたので、棒ヤスリで横に穴を広げて修正しています。

爪の穴開け 爪用の穴を横に広げる

続けてボリュームの爪用の穴を開けます。ボリュームの爪は長方形なので棒ヤスリで穴を横に広げました。

ボリュームの取り付け前面 ボリュームの取り付け内側

ボリュームの取り付けができるようになりました。

ボリュームの他の向き@横 ボリュームの他の向き@縦

ちなみにボリュームを他の向きにすると、上下の場合はふたや底に接触しかけ、横はLEDにかぶってしまいます。

曲がった足が接触 足をまっすぐに伸ばして回避

この向きでも足を曲げたままでは基板に接触してしまうので、足を伸ばして回避しています。

LED用穴開け

LED用の穴開け アクリル棒を差し込む

LED用の穴を開けます。アクリル棒の固定は穴自体も利用するので、リーマーで広げすぎないように特に注意します。アクリル棒を差し込んだ状態で百均ショップで購入したのこぎりで削ります。長さは多少余裕を持たせ、ヤスリで削って微調整します。

削ったアクリル棒 アクリル棒を折る

のこぎりで削り切らなくても画像程度の切れ込みを入れてから曲げれば、きれいに切り取る事ができます。

ニッパーで切ったアクリル棒

アクリル棒はニッパーで切ると砕けてしまうようです。

アクリル棒無しの明かり アクリル棒ありの明かり

アクリル棒の有無でこのようになります。

保護カバーを剥がす

保護カバーを剥がす@手前 保護カバーを剥がす@全体

穴開けが終了したら保護カバーを剥がします。剥がす前にLEDとUSB端子用の穴の銀色部分を、黒いペンか何かで塗りつぶした方が良かったかもしれません。

配線と部品の取り付け

端子と基板の配線を行い、ケースに部品を取り付けていきます。

配線材の加工

切り出したLANケーブル

100均のLANケーブルを5mm切り取り、3本1セットを4つ作ります。ライン出力用RCA端子に1セット、3.5mmヘッドホン端子に1セット、ボリュームに2セット使います。

ケーブルの色分け

色は橙、青、茶で統一しています。右チャンネルには赤色のケーブルがよく使われますが、LANケーブルの中に赤がなかったのでオレンジ色、左チャンネルは青や緑が多いので青色、グラウンドは黒がないので暗めの色の茶色にしています。

基板へ配線

ヘッドホン出力用

ヘッドホンのシルク印刷 ヘッドホン用の配線

基板にLRの記述があるのでその通りに配線をハンダ付けします。

RCA端子用

ライン出力のシルク印刷 RCA端子用の配線

続けてRCA端子用の配線もします。

ボリューム用

ボリューム取り付け位置

ボリュームは横のラインで右左、縦のラインで各機能になります。?が付いているのはどちらの行が左か右か、どちらが入出力か調べてないので、どちらかが左右入出力になっています。GNDの位置さえ気をつければ特にそれらを意識せずに配線できます。

ボリューム用の配線

画像手前側にGND用の茶線を接続し、隣は適当にオレンジ、青としています。色は適当でいいですが、ラインの色の並びは画像のようにそれぞれのラインで同じにします。

基板への配線終了

基板配線完了

各端子用の配線がすんだら、パーツの取付を行います。

ボリューム

ボリュームに配線

ボリュームに配線 ボリュームの爪とGND

ボリュームに配線をします。画像のように色を交差せずにストレートで接続すればOKです。爪のある側がGNDになります。

ボリュームの取り付け

ボリュームを先に付ける ボリューム付近

ボリュームを先にケースに固定し、そのあと基板を取り付けます。

ヘッドホン用端子

3.5mm端子に配線

ナットを通す ケーブルを外に出す

まず3.5mm端子に付属するナットをケーブルに通し、ケーブルをケースの外に出します。

3.5mm端子に配線

この端子は中央がGNDで両端がLRです。GNDの上下によって左右逆になるので気をつけてください。画像のようにGND端子が上側なら手前がLch、奥がRchになります。

3.5mm端子の取り付け

3.5mm端子の取り付け

配線がすんだら端子を差し込んでナットで固定します。ケーブルがオペアンプ交換の邪魔にならないように寄せておきます。端子の取り付けがすんだらPCと接続して動作テストしておくと良いでしょう。

OT2にはヘッドホンを接続しないでPCにつなげ、Windowsのボリュームを最低にし、OT2のボリュームを左いっぱいに回しておきます。その状態でヘッドホンを接続して適当な曲を流し、ボリュームを上げていきます。ボリュームの動作が確認できたら、Windowsのサウンド設定にあるテスト項目を実行して、左右が正しく鳴るか確認します。

切れたRchのケーブル 基板表側からハンダ付け

テストをしたところ右から音が出ませんでした。調べてみるとケーブルを寄せた時に根元が切れてしまったようです。細い線を使っているので、取り回しで動かす時は気をつけた方が良さそうです。とりあえず皮膜を剥いで基板表側からハンダ付けして鳴るようになりました。

ライン出力用端子

RCA端子に配線

付属品を通す ケーブルを外に出す

画像のようにナット、金属板、絶縁物の順で付属品を通してケーブルを外に出します。市販の製品の横に並んだRCA端子は外側がRchになっているのがほとんどなので、それにならって外側をRchにしています。

RCAにハンダ付け 忘れ物

線を出したらRCA端子をハンダ付けします。内側に気を取られて外側に付けるべき物を忘れていました。

忘れ物を通してハンダ付け

忘れ物を通してハンダ付けし直しました。RCA端子から外す時は熱が周囲に逃げて溶けにくいので、小手先にハンダを盛って作業するとやりやすいです。

金属板を交差 金属板にハンダ付け

GND用の金属板を交差させ、そこに茶色いケーブルをハンダ付けします。

ケーブルを端に寄せる

オペアンプ交換の邪魔になるのでケーブルを端に寄せました。

アクリル棒

ホットボンドでアクリル棒を固定

ホットボンドでアクリル棒を固定します。こんなでも意外と外れずに使えています。

ふたの取り付け

ケース前面 ケース後ろ側

ふたを閉めてみました。開け閉めがしやすいように手回しネジで固定しています。

ケース前面斜め ケース後ろ側斜め

酷いズレもなくそれなりに仕上がっています。

LED

LEDは見えなくてもいいかと思っていましたが、動作がすぐ分かるのは便利でした。

ボリュームつまみ

ローレットつまみ

最初に安いからと適当に購入した物はローレットつまみで、ボリュームの軸がギザギザになっているタイプ用で使えませんでした。

12X12BPS

次に購入したのはネジで固定するタイプの物です。袋に小さなネジも入っているので、開ける時になくさないように気をつけます。

ボリュームとネジ ボリュームのネジ回し

小さなネジを差し込んでレンチで回します。

ボリューム最小 ボリューム最大

ボリュームを左右いっぱいに回した時に、目印が同じくらいの高さになるように調整して固定します。

つまみ取り付け後前面 つまみ取り付け後斜め

大きいとLEDにかぶったりしてまずいだろうと小さい物を購入しましたが、どう見ても小さすぎます。つまみとしての機能は果たしているのでとりあえずこれで行く事にします。

ゴム足

ケース裏面 ゴム足取り付け

そのままだとネジがむき出しで傷を付けそうなのでゴム足を取り付けました。

アース

通電チェック

P157にGNDとケースをつないでアースを取ると良いとありますが、テスターの通電チェック機能で調べると、USB端子の外装の(GNDに接続されいている)金属部分からケースに接触しているようで、ちょうどいいのでこれをアースにします。

大きさ

AudioPhileとの比較@前 AudioPhileとの比較@後ろ

RMAA測定時に利用したAudioPhileと比較してみると、かなり差があります。

つまみの交換

MF-A03 MF-A03のネジ

上でアルミ製つまみを取り付けましたが、つまみに触れたり回した時にチリチリとノイズが出ます。もともとボリュームの軸に触れた時にノイズが乗っていましたが、金属製のつまみなので軸に触れているのと同じ効果になってしまったようです。触れない限りは大丈夫ですが、気になるのでプラスチックのつまみに交換します。今度のつまみはマイナスドライバで締めます。

用途商品名価格合計購入店舗
つまみMF-A03 プラスチック製ツマミ\941\94マルツ
つまみ交換@手前 つまみ交換@上から

つまみを交換した事でボリュームに触れてもノイズが乗らなくなりました。今度はやや大きめの物にしたので使い勝手も良いです。

このノイズが消えた事で思い出しましたが、基板だけの状態の時にボリュームを回すと今回のとは違ったノイズが乗っていました。ケース・ボリュームのどれが効いたかは分かりませんが、そのノイズが消えていました。また、ハムノイズのようなブーンというノイズも出なくなりました。

オペアンプ

OT2はオペアンプが交換しやすいソケット式になっていて、抜き差しする事で別のオペアンプにする事ができます。

引き抜き工具

足の曲がったオペアンプ

マイナスドライバでオペアンプを外した時に思いっきり曲げてしまいました。ソケットが板バネ式の時は容易に外せたのですが、丸ピンはしっかり固定されていて外しにくいです。

オペアンプ引き抜き工具

引き抜き工具を購入しました。秋葉原の店頭ならaitendo(300円)や千石電商(350円)が安いです。

工具で引き抜き 引き抜き結果

工具ならきれいに外せるだろうと思っていましたがそんな事はありませんでした。

ラジペンで足修正

曲がった足はラジオペンチで戻します。

何度か抜き差ししているとソケットがこなれてきたのか、うまく外せるようになりました。新しい丸ピンソケット相手には安物オペアンプで10回程度抜き差ししておくと良いかもしれません。慣れてくると引き抜き工具は使いやすいです。

U2(ヘッドホン用)のオペアンプ

ヘッドホン出力のそばにあるオペアンプです。ここを変更するとヘッドホン出力の音質を変える事ができます。

標準で高出力タイプのNJM4556AD(73mA)が使われており、P154にはオペアンプを変更すると出力が下がってヘッドホンをドライブできなくなると書かれています。P179ではU2に標準より高出力なMUSES8920(100mA)の使用例が挙がっているので、それら2つのどちらかで行くつもりでしたが、コンデンサ増量の影響かどちらも電源投入時のポップノイズが酷いです。

電圧変更やオペアンプ交換をしてみたところ、どうやらポップノイズはU2のオペアンプが影響しているようです。そこで手持ちのオペアンプでポップノイズの大小だけに注目してチェックしてみました。ヘッドホンはVestaxのDM-01で試しています。

オペアンプ
NJM4556(AD・ADD)、BA4560、MUSES8820、MUSES8920(特大)
TL072CP、C4558C、NJM4558(D・D艶有・DD・DX)、NJM5532D、NE5532P、OPA2134、OPA2604、LM4562NA、LME49720NA、LME49860NA、OP275GP

U1(ライン出力用)のオペアンプ

RCA端子のそばにあるオペアンプです。ここを変更する事でライン出力の音質を変える事ができます。また、ヘッドホン出力はこのオペアンプを経由するので、ヘッドホン出力の音質にも影響があります。U2に使うとポップノイズが出るオペアンプを使っても特に影響はないので好きな物が使えます。

基板上の交換部品

最終的に以下のようになりました。オペアンプの組み合わせはあまり試してないので暫定です。

ライン出力
用途商品名価格合計購入店舗
C88/C31MUSE FG 50V 10uF\102\20秋月電子
C39/C38MUSE FG 50V 22uF\202\40秋月電子
R5/R6REY 金属皮膜抵抗 300Ω\302\60千石電商
ヘッドホン出力
用途商品名価格合計購入店舗
C16/C21MUSE FG 50V 4.7uF\302\60海神無線
C45/C32MUSE KW 25V 220uF\1102\220三栄電波
R12/R13REY 金属被膜抵抗 510Ω\302\60千石電商
R8/R10NS-2B(3W) 33Ω\4302\860海神無線
オペアンプ
用途商品名価格合計購入店舗
U1MUSES8820\4001\400秋月電子
U2LM4562NA\2501\250秋月電子
パスコンPMLCAP 0.1uF\702\140秋月電子
電源
用途商品名価格合計購入店舗
C2MUSE KW 25V 100uF\701\70三栄電波
C3MUSE KZ 25V 220uF\401\40秋月電子
C4MUSE KZ 25V 1000uF\1201\120秋月電子
C7/C6MUSE FW 16V 220uF\802\160三栄電波
C37/C30MUSE KW 25V 100uF\702\140三栄電波
L1/L2RTP8010-221M 220uH\1412\282マルツ
電圧設定用KOA 金属皮膜抵抗 820Ω\101\10千石電商
その他
用途商品名価格合計購入店舗
C11チップコンデンサ 50V 180pF\1010\100共立電子
水晶発振器FOX924B 12MHz\7801\780共立電子
C18/C33MUSE FG 50V 10uF\102\20秋月電子
C87MUSE FG 25V 47uF\401\40海神無線

随分前に若松通商でLM4562NAやOPA2604を600円ぐらいで買いましたが、秋月電子ではその半額程度で購入できます。他にMUSE FGなど他店と比べて安価になっているので、ここでそろえると安上がりに済ませる事ができます。

Bit-Revolution Tecnology

HP-U48パッケージ VC-24とVC-48

ビットレボリューションは音源の高域補間機能で、2006年に発売されたVraisonに付属するソフトウェアです。対応OSはWindows XPとVistaで32bit OS限定です。Vraison付属USB-DAC専用のソフトですが、下位機種HP-U24のUSB-DAC(VC-24)はOT2と同じPCM2704を採用しているためか、VC-24を差していたUSB端子にOT2を接続するとそのまま使えたりします。

新たに購入するのはお勧めしませんが、32ビットOSを使っていてVC-24付きのVraisonをお蔵入りにしてる人は、試しに引っ張り出してみてもいいかもしれません。

動作

CDの音声

Bit-Revolution無効@CD Bit-Revolution有効@CD

CDやそれを元にしたmp3などには20k~22kHz以上の部分がありません。Bit-Revolutionを有効にすると20k~24kHzの高域が補間されます。

高域がカットされた音声

Bit-Revolution無効 Bit-Revolution有効

低ビットレートのmp3やストリーミング放送などでは、人には聞こえにくい音声の高域部分をカットして容量を抑えています。Bit-Revolutionを有効にすると20kHz以降の高域は補間されますが、16kHz過ぎの帯域はそのままです。

16kHz補間有効

オプションの16kHz補間を有効にすると、通常モードではカバーされなかった部分も補間されます。

より高域がカットされた音声

12kHz 途中の帯域に谷間

さらに低ビットレートな音源などで16kHz以下の帯域までカットされている場合はカバーされません。

機能

Bit-Revolution設定

Bit-Revolutionには2種類の設定があります。ナチュラルは違いが分からないぐらいに自然な効果ですが、たまに高域補間が効いているように感じる音声もあります。リッチはイコライザで高域を持ち上げたような変化があります。

サラウンドはホールが残響音が付加される一般的な疑似サラウンド、ナチュラルは控えめな残響音、ライブとワイドはセンターの定位をずらして広げます。

ヘッドホン適応はVraisonのパッケージに付属するヘッドホンのプロファイルしかないため使えません。ユーザー適応はVista以降では音量がおかしくなるので使えません。

イコライザ

イコライザもあります。

inserted by FC2 system