Logicool G35のUSB音源化
アームが折れてしまったLogicoolのヘッドセットG35の音源部分を生かしてUSB音源にします。
分解
イヤーパッドの表面がはがれ落ち、ハウジングすぐ上の部分が折れ、それに伴いヘッドホンの左右をつなぐケーブルが断線しています。USBケーブルを接続すると、断線した右の音は出ませんが左の音はまだ鳴るのでUSB音源の機能はまだ生きています。
ハウジングの切り離し
左ハウジングのすぐ上のケーブルが断線し、ケーブル内の繊維だけでつながっている状態なのでカットします。
イヤーパッドの取り外しとハウジングの分解
イヤーパッドは内側に指を入れて、外に引っ張るようにすると外す事ができます。ハウジングにネジが6本付いていますが、ネジ頭の穴にイヤーパッドから崩れ落ちた粘着物が詰まっているので先の尖った物で取り出します。そのまま無理にネジを回すとなめる可能性があります。
赤いパーツはネジだけでなく両面テープも使われていました。今度はその両面テープの下にネジが6本あるのでテープを取り除きます。
ネジを外してもハウジング内には3本のケーブルが上下部分をつないでいるため、そのままでは開く事ができません。
右スピーカーへのケーブルの根元を切断
3本のうち1本はこんな状態なのでカットしてします。これで少しハウジングが動かせるようになりました。
ハウジングを支えているパーツの取り外し
ハウジングを支えるパーツは不要かつ邪魔なので取り外します。根元の部分で固定されているのでラジオペンチで挟みねじ切ります。
根元をねじ切り外せるようになりました。
反対側も同じように固定されているので外します。
取り外せました。
ねじ切った部分です。外した後に気づきましたが、どうやらこの部分はコの字型の金具で固定されていたようで、これを外せば力技ではなくうまく外せたかもしれません。
取り外し不要部分
スピーカー付近がびくともしないので、隠しネジはないかと保護している布をはがしてみました。この部分は一度外すと元に戻す事はできません。
何もありませんでした。
左スピーカーケーブルのカット
これ以上分解できないので左スピーカーへのケーブルをカットします。まだマイクのケーブルがありますがハウジングを開くことができます。
マイク付近
マイクの上げ下げで中の部品がスイングしてスイッチに当たって上げ下げが検出されるようです。この回転部分の中心にマイクケーブルが通してあります。マイクを固定しているネジを外してもこのケーブルがあるため外す事はできず、ネジを固定するナットが外れると戻すのが面倒なのでそのままにした方がよいです。
基板の取り外し
今回の目的とは関係ありませんがせっかくなので基板を見てみます。ネジは6本ありますが、ボリュームそばの2本はボリューム固定用です。うまく取り付けないとボリュームが空回りするようになるので、外す場合は気をつけてください。
USB-DAC、機能ボタン用のタクトスイッチが4つ、ボリューム、USB-DACでよく見る12MHzの水晶振動子などがあります。DACチップには粘着テープの残骸が張り付いています。
ボリュームは裏面のネジ2本を外して手前に引けば外れます。
USB-DACにはMICRONAS UAC3556Bというチップが使われています。
スピーカー付近の解体
端子を取り付ける時に邪魔になるのでスピーカー付近の分解を行います。
全く動かないので通気口をペンチでねじ切って、ベンチやニッパーで強引にこじ開けていく事にします。
ある程度開いたところで、隅をペンチでつかみ持ち上げてみると何とか外せました。
この部分は溝にはめ込み、底に接着剤らしき物が付いていて非常に強固に固定されています。最初の状態だとつかむ事はできないので、きれいに分解するのは難しいです。
マイクケーブルの切断
スピーカー付近の解体作業中にケーブルに負荷をかけてしまったので動作確認をすると断線していました。とりあえずケーブルをカットして作業を進めます。ケーブルを切ったのでマイクを外せるようになりました。
端子の取り付け
分解もある程度進んだのでスピーカー出力から端子に配線を行います。
基板上のスピーカー出力は接着剤で覆われています。ケーブルの色は以下の通りです。
- 右チャンネルは出力:赤、GND:青
- 左チャンネルは出力:茶、GND:緑
出力付近の接着剤の除去
接着剤を何とかするのは面倒なので、元の配線を利用しようと黒い皮膜をはごうとしたところ、ケーブルを根元からちぎってしまいました。
先の細い棒ヤスリでハンダ面が出てくるまで慎重に削ります。手元が滑って基板に傷を付けるとまずいので根気よく気長に作業を進めてください。GNDは左右共通でどちらか1つあればいいので、削る場所は左右出力とGND1つの計3カ所です。
ハンダ付け準備
KXL-RW20ANの音声出力端子です。これに配線材でつなげる予定でしたが、端子をはがすのに失敗してできなくなりました。以上の理由で今回は使いませんが適当な携帯プレイヤーの出力端子を取り出したり、電子部品を扱う店で売られている出力端子も使えます。
携帯で使われる平型端子の変換アダプタです。これの先端を切って配線兼端子として使います。
接着しているケーブルを分岐させ皮膜をはぎます。中のケーブルにも皮膜があるのではいでおきます。
左右分かれていないタイプのケーブルなら分岐の部分はパスしてそのまま皮膜をはいでください。中に左、右、左右共通GNDの3本のケーブルが入っているはずです。
左右GNDが分からないので適当なケーブルを接続してテスターの通電チェック機能で調べると、左右共通の銅色のケーブルがGNDで赤が右、緑が左でした。
今回は左のGNDの接着剤を削っていないので左のGNDケーブルをカットしました。
ハンダ付け
上で用意したケーブルをハンダ付けします。接着剤が邪魔してうまくやれませんでしたが、こんな状態でも通電していたのでよしとします。
ケーブルをテープで仮止めしておくと楽に作業ができます。
動作確認
実際に接続して動作確認をします。最初は壊れても構わない適当なヘッドホンでテストした方がよいでしょう。
端子の固定
ハウジングを支えていたパーツが付いていた穴に端子を固定する事にします。リーマーで穴を広げます。ノギスで端子の直径を測り、リーマーの同じくらいの直径の部分にテープをつけて目印をしておくとすぐに作業が終わります。
工具がない場合、ハンダ付け前に事前にケーブルを穴に通しておいてケーブルを外に出しておくといいかもしれません。
端子を収めてふたを閉めて作業完了です。このままだと端子の抜き差しのたびに前後に動くので何かしらの処置をした方がよいです。