Vブレーキの調整
調子の悪いVブレーキの調整を行います。
Vブレーキの付け外し
Vブレーキの付け外し手順です。六角レンチ一本でいけます。
ワイヤーを外す
まずはブレーキワイヤーを外します。ワイヤーの余った部分がブレーキのアーム付近に引っかけられているのを外してフリーにしておきます。六角レンチで画像の部分のボルトを外します。
固定ボルト付近のワイヤーが外れました。
固定ボルトのその先にあるカーブをした金属パーツが引っかけて固定されているので外しておきます。
アームを外す
画像の部分のボルトを六角レンチで外すと、アームを外す事ができます。
アームを外すと突起が確認できます。この突起は土台の3つの穴のどれかに差し込んで固定します。アームを引き出す前に、裏側からのぞいてどの部分に差し込まれているか確認するとよいでしょう。
アームを取り外しました。逆側も同じ要領で外せます。ここまで外せば別のアームに交換したり、ブレーキシューの交換も容易です。
アームの取り付け
ここから組み立てに入ります。
アームを取り付けてボルトで固定します。反対側も同様にして取り付けます。
アームを取り付ける棒ですが、古い自転車のブレーキを外した時にひどくサビていたので、グリスがあればサビ止めに塗っておくとよいです。
ブレーキワイヤーの取り付け
ブレーキワイヤーを取り付ける前に、アウターの端っこの部分を引っ張り出して、隙間からシリコンスプレーを吹き付けてみると、ワイヤーの動きがスムーズになりました。
ワイヤーのカーブ部分を溝に引っかけます。
ワイヤーを引いたままボルトを締めます。ブレーキの動作確認をして問題がなければ、はみ出たワイヤーをアームに引っかけて組み立て完了です。
ブレーキシューの取り外し
前の項目ではブレーキ全体を外していますが、ブレーキシュー単体ならシューのボルトを回しきればそのまま取り外せます。
シューを外す前に、ワッシャーなどの取り付け順序を確認しておきます。
ブレーキシューのゴミ取り
ブレーキをかけた時にザーとこするような音がして効きがかなり悪くなっています。そんなブレーキシューの状態を確認してみます。
ブレーキシューのゴミ取り
このシューを使い始めて2ヶ月程度ですが傷だらけです。ピンセットなどの先の細い物で傷の部分を掘り起こしてみると、中から金属片がいくつも出てきました。
一通りゴミを掘り起こして表面がボコボコになってしまいました。大きめの傷の場所は、結構奥の方まで金属片が入り込んでいました。また、少しでも傷が付いているところにも金属片が入っていました。
反対側のブレーキシューのゴミ取り
反対側も傷だらけです。
こちらも傷のところからゴミが出てきました。
掃除後
ブレーキ時にザーとこするような音がサーと軽めの音になりブレーキの効きが改善しました。ブレーキシューのゴミを放置しているとリムを傷つけるので、異音がしたら早めにチェックをした方がよいです。
交換時期
ブレーキ時にザーザーこするような音が鳴り始めて、そのうち見てみるとかとしばらく放置したままにしていました。
シューを取り外してみると大きな金属片らしき物が見えます。
この大きな金属片をマイナスドライバーなどでえぐってみてもなかなか取れません。そのうち周りのゴムが取れてしまいました。よく見てみると異物ではなく、元々シューの骨組みとして埋め込まれていた金属でした。シューが削れすぎて骨組みが露出してしまったようです。
この状態で使っていたのでリムに結構傷が付いてしまいました。シューがすり減ってきたら早めに交換した方が良いです。
ブレーキシューのヤスリがけ
今回はダイソーのサビ取り消しゴムを使います。名前の通り金属のサビ取り用の製品ですが、ヤスリみたいな物なので今回の用途にも使えます。紙ヤスリでも削れますがすぐに目詰まりしそうなのでこれを使ってみます。
ブレーキ時の摩擦熱などで表面がつるつるになっています。これを粗めの方で円を描くように削ります。
しばらく削るとシュー表面のテカリがなくなり、取り付けるとブレーキ時にキーキー鳴いていた音が収まりました。
リムのヤスリがけ
ついでにリムにもしておきます。細めの方で軽く2~3往復程度しながら一周こすります。
表面の汚れが少し落ちてブレーキの効果が若干改善しました。雨の次の日などにやると効果的です。
トーイン
ここの調整はブレーキワイヤーなどを外す必要はありません。
ブレーキシューはリムに対して平行に付いていますが、それをハの字型になるように若干角度が付くように調整します。
厚さ1mmぐらいの適当な厚紙を用意します。今回は100円ライトのパッケージの端っこを切り出した物を使います。折りたたんでみると約1mmでした。これを使ってブレーキシューに角度を付けます。
六角レンチでシューのナットを緩めてシューが動く状態にします。
シューの位置をリムに合わせ、進行方向の後ろ側に厚紙を挟みます。微調整が済んだらブレーキレバーをしっかり握ります。そのままナットを締めてブレーキシューを固定します。
ここで逆に進行方向前側に厚紙を挟んで、逆ハの字にした方がよいケースもあります。
シューを固定したあとに確認してみると、後ろ側が若干浮いて角度が付いていました。
逆側も同じ要領で調整します。調整後、ブレーキをかけた時に出ていたサーとこするような音があまりしなくなりました。
前後輪のブレーキシューをハの字にしてからしばらくすると、前輪からキーキー音が鳴り始めました。ブレーキシューを外してヤスリがけをしたりトーインをし直したりしましたが調子が長続きしません。試しに前輪だけ逆ハの字にすると改善しました。後輪はハの字のままで問題は出ていません。
センター調整
ブレーキのアームにかかる力を調整して、ブレーキシューの左右の位置が均等になるように調整します。
大まかな調整
アーム固定部付近の突起の取り付け位置によって、アームにかかる力を調整できます。
上の穴に取り付けると外向きへの力が強く働くようになり、ブレーキレバーを握った時の手応えが強くなります。
細かな調整
アームを固定する部分のそばにあるネジを回すと、そばの金属棒の張りが変わり、ブレーキシューの左右の位置を微調整できます。少しネジを回したらブレーキレバーを引いて離し、左右のバランスを確認します。
何年も使っているとここの金属棒が折れる事があります。そうなったらブレーキを交換した方がよいでしょう。シマノの安い物だと1000円ちょっとで購入でき、上で扱った付け外し手順で簡単に取り付けられます。
調整不良の結果
シューのゴミ取りで扱った削れきったシューです。
これは上のシューの反対側に付いていたシューですが、逆側と比べるて状態が良いです。
シューの動きを見ながらブレーキレバーを操作してみると、削れきったシューの側はほとんど動かず、あまり削れていない方の可動範囲は多めでした。力のかかり具合に偏りが出ていたためにここまでの差が出たようです。左右が均等ならもう少しシューが持ったでしょう。
シューを交換した後にブレーキアームのネジを回して左右のアームの動きが同じくらいになるように調整しておきました。