SANYO NH-S62
白色6LED+橙色2LEDと多数のLEDを搭載するオートライトのLED交換を行います。
SANYO NH-S62
メインにホワイトLEDを6発も積んだ明るそうに見えるオートライトです。結構古い製品(2005年頃?)のようでサブLEDだけではなく、メインのホワイトLEDにも砲弾型のLEDが使われています。外側にはSANYOや型番の表記はなく、Hodakaのロゴだけあります。ホダカ製自転車向けのOEM品だったのでしょう。
明るさはカゴ下取り付けタイプのホワイトフラッシュWパワー点灯虫には遙かに及ばず、NH-S95にも負けます。LEDの数は多いですが、光は左右にあまり広がらず、前方の狭い範囲に焦点を合わせたようになり、LED1つのNH-S95と似たような照らし方です。NH-S95は狭い範囲ながら遠くまで照らす事ができますが、NH-S62は距離があまり伸びません。
両端にはオレンジ色のサブLEDがあり、点滅で横方向へのアピールを行います。サブLEDは停止後もしばらく点滅を続けます。
背面には何もありません。底面にはオートライトの動作切り替えスイッチがあります。
他のSANYOのオートライトのように、光センサーをスイッチで物理的に隠す事で常時点灯とオートモードの切り替えを行います。
前カゴ下に取り付けるための金具です。この金具は左右の2点で固定されるので、角度調整と固定は少々面倒そうです。
本体に金具を取り付けました。
大きさは縦55mm、横130mm、重さ278g(金具込み)です。
取り付け
電源ケーブルは下から出ているので、そのままカゴの支柱に巻き付けるとタイヤに当たってしまいます。ライトの取り付け金具に通し、そこから支柱に絡ませるとタイヤに接触しなくて済みます。
大きさと取り付けスペース
このライトの厚みは55mmもあって他のカゴ下取り付けタイプよりもスペースが必要になります。
他の厚みのないライトでも取り付けスペースが厳しい場合もあります。入手前に取り付け可能かどうか確認した方が良いでしょう。
奥行きの差もあります。
分解
他のSANYOライトと同じように前面下のネジを1本外すと筐体が開きます。
前面パネルにはレンズが付いています。
LEDのそばに付いている反射板は引っ張れば外れます。この反射板は前面パネルにもはめ込む事ができます。
反射板には溝が付いていて、取り付け時にはそれを爪にはめ込むような形になります。
基板に型番が書かれています。
砲弾型のLEDが左右3つずつ実装されています。
両端にはオレンジ色のサブLEDが斜めに実装されています。
奥の方にセンサー基板にアクセスするためのネジがありますが、戻すのが面倒そうなのでそのままにしておきます。
前面パネルを取り付ける時、メーカーロゴがある付近に爪と溝があるので、先にそこをはめ込んでからネジ止めします。
LED交換(砲弾型×6 → NFSW036CT×6)
LEDのそばにはプラスチックの土台が付いています。基板の裏面を見てみると、その土台の先端が溶かされて固定されています。そのすぐそばにLEDの足があります。LEDの足を探す時はそこに注意すればすぐ見つかります。
LEDの取り外し
LEDの足にハンダを少し盛ってみると、その作業でハンダが溶けた瞬間にLEDがストンと落ちます。取り外しがとても楽です。
リード線の取り付け
100円LANケーブルをリード線に使ってみます。
LEDが付いていた部分にリード線をハンダ付けします。
テープで基板を仮固定して自転車に取り付け、リード線にワニ口クリップを使ってテスターとつなげます。その状態でカゴを手で持ち上げて、前輪を手で回せば電圧や電流を計測する事ができます。実際にどれくらいの値が出るのか気になったので取り付けてみました。測定結果はこのあと扱います。
残りのLEDを外す
LEDを取り外す前に極性をメモしておきます。画像のようにネジ穴が下にある時、全てのLEDで左側がプラス、右側がマイナスになっていました。
LEDを全て外しました。前述のようにハンダごてを当てるだけで勝手に落ちるので楽々外せます。
交換用LED
秋月電子でNFSW036CTを購入しました。
製品名 | 価格 | 個数 | 合計 | 購入店 |
---|---|---|---|---|
白色チップLED NFSW036CT(10個入) | \300 | 1 | \300 | 秋月電子 |
元のLEDと並べてみると非常に小さいです。極性は元のLEDは赤枠で囲った先端の幅の広い方がマイナス、チップLEDは印が付いている方がマイナスになります。チップLEDは裏面に電極があります。
そのまま使う事はできないので電極に足を取り付けます。別件で使ったときにカットしたコンデンサの足を再利用してチップLEDの足にします。秋月で様々な値の抵抗が100個100円で売られているので、ちょうどいい足がない場合は一緒に購入して、抵抗から切り出してもいいかもしれません。
コンデンサの足の切れ端を画像のように曲げます。短すぎると届かないので注意してください。
チップLEDの数6×2の12本作ります。
電極を片方出した状態でテープで固定し、電極にフラックスを塗ります。ラジオペンチで足をつかみ、電極に押しつけて固定します。
ラジオペンチで押さえたところに、先端にハンダを盛ったハンダごてを当ててハンダ付けします。同じ要領でもう片方もハンダ付けします。
完成するとこんな具合になります。
チップLEDの取り付け
チップLEDは横から見て少し見える程度の高さに合わせるとちょうどよいです。また、反射板の穴の中に収まるように位置調整します。
極性の向きにも気をつけます。
6つ取付が終わりました。
組み立てて動作確認します。
交換後
取り付け後、光はよく広がるようになりましたが、明るさ自体は元のLEDとさほど変わらず、その明るさでよく広がるようになったので暗いです。
LED交換(NFSW036CT×6 → XP-G×2、NFSW036CT×4)
上で少し触れたましたが、LEDを外したところにリード線を付けて電圧電流を測定しています。この状態で自転車に取り付け、カゴを持ち上げて手で前輪を思いっきり回しています。実際に走っている時はもっと値が出ているかもしれません。
元々付いていた砲弾型のLEDが5本の時、取り付け途中でチップLEDが2つの時、チップLEDが5つの時の値を測定しました。測定結果ですが、値を書き込んだテキストファイルが破損して読めなくなっていたので、うろ覚えの大まかな値になります。
LED数 | 電圧 | 電流 |
---|---|---|
砲弾5つ | 3.2V | 320mA |
チップ2つ | 4.2V | 380mA |
チップ5つ | 2.8V | 260mA |
LEDの数が少ないほど電圧電流が高くなり、砲弾型LEDよりチップLEDの方が電気を食うようで値の下がり幅が大きくなっています。上の項目でチップLEDに交換したのに残念な明るさになってしまいましたが、電圧電流の値が下がりすぎたのが原因のようです。チップLED2つの時は直視できないぐらいの明るさでした。
チップLEDを4つにする
チップLEDの数を減らせば残りのLEDに多く電気が流れるようになって明るさも増すだろうと外してみました。しかし結果は余計に暗くなりました。上の表ではチップLED5つの時点でかなりの電圧降下が起きているので、4つではあまり改善しないのかもしれません。
CREE XP-G R4
より高効率のLEDに取り替えてみる事にします。チップに付いているレンズは簡単に砕けるので取り扱いに気をつけてください。
製品名 | 価格 | 個数 | 合計 | 購入店 |
---|---|---|---|---|
放熱基板付クールホワイトLED XPGWHT-L1-STAR-G53-1B | \200 | 2 | \400 | 秋月電子 |
放熱板の加工
星形の放熱板をそのまま乗せるとLEDの位置が本来の位置からずれてしまいます。
放熱板はアルミ板なのでニッパーで容易に切る事ができます。極性は取り付け方向と合わせておいた方がよいかもしれません。+と-の端子はそれぞれ3つずつありますが、どれもつながっているので3つのうちのどこに配線しても同じ効果です。
大まかに切ったら棒ヤスリで削っていきます。
反射板を取り付けた時にLEDが中央に来ればOKです。もう片方も同じように削ります。
反射板の加工
放熱板付きLEDを土台に乗せると、反射板が放熱板に当たり土台から浮いてしまいます。そのままではフタが閉められなくなるので反射板を裏側から棒ヤスリ削ります。反射板には溝があるので実際に当てて確認し、削る位置を間違えないように気をつけてください。
プラスチックなので固くはありませんが、位置が悪いので削りにくく、作業が進むにつれ削る範囲が広がって行くのでとても面倒です。画像は細い棒ヤスリを使っていますが、前述の通り削る面積は増えていくので普通の大きさの棒ヤスリを使った方が楽です。
棒ヤスリで数時間かけて2カ所削りました。放熱板と反射板を取り付けて、LEDが反射板の中央に収まり、土台と反射板の間に大きな隙間ができなければ終了です。ルーターがあれば数分で終わると思います。
ハンダ付け
削り終わったらハンダ付けを行います。配線材は100円LANケーブルで5cmずつ4本削りだし、両端の被膜を剥ぎました。今回は青をプラス、茶色をマイナスにします。
基板裏に配線をハンダ付けし、土台の隙間を通して表に出し、放熱板にハンダ付けします。画像のように端子が多少削れていても普通に端子として使えます。
放熱板を土台にホットボンドで固定しました。ハンダ付け部分にもホットボンドを付けて補強しておきます。逆側も同じ要領で取り付けます。
取付が完了しました。
交換後、光の広がりはそのままにそこそこ明るくなりました。パワーLEDは発熱対策が必須ですが、今回は電圧が低くあまり電流も流れず明るさもそこそこなので、アルミ板だけで放熱は間に合うかと思います。
範囲は勝っていますが、明るさはXP-Gを1つだけ使ったホワイトフラッシュスリムに劣ります。今回の結果から自転車ライトは明るいLEDを1つか2つに、しっかり電気を流してやるのがよさそうで、多灯の製品がほとんどないのもうなずけます。
LED交換(XP-G×2、NFSW036CT×4 → XP-G×2、砲弾型×4)
NFSW036CT×4を取り外して元々付いていた砲弾型を取り付けます。
XP-G×2+砲弾型×4の構成になりました。XP-Gの電力をより確保できるようになったのか、明るさがホワイトフラッシュWパワー点灯虫より少し劣る程度に改善しました。Wパワーより広角なのでこちらの方が使い勝手は良いですが、ここまで手間をかけるほどの差はありません。
サイドLED交換
ライトの両端に付いているオレンジ色に点滅するLEDを交換します。
LEDの極性は画像のようになります。LEDを外したら土台も一緒に取れかけました。
とりあえず一緒に土台も外しました。ホットボンドと足を差し込んで固定されているだけなので、また差し込んで固めておけば問題ないです。LEDは斜めに実装されていたので足が曲がっています。
交換用LED
秋月で購入したオレンジLEDです。
製品名 | 価格 | 個数 | 合計 | 購入店 |
---|---|---|---|---|
超高輝度5mmオレンジ色LED OS5OAA5111A(10個入) | \200 | 1 | \200 | 秋月電子 |
今回のLEDの極性は、LEDの中に見える電極の小さい方がプラス、大きい方がマイナスになります。また、足の長い方がプラスです。
LEDの取り付け
土台が外れた場合は先に差し込んで、LEDをまっすぐに差し込みます。そのままLEDを土台の形に合わせて倒すと斜めになります。
あとはハンダ付けをして足を切れば交換完了です。反対側も同じように交換します。
交換後は赤みがかった色になりました。かなり明るくなり、壁のそばを走ると壁にオレンジ色の光が見えます。
今回のLEDの角度は15°と狭いですが、横からも点滅が確認できます。
点滅時間
しばらく走ったあとに停車したあとの点滅時間です。
LED | ~3分 | ~5分 | ~7分 |
---|---|---|---|
交換前 | やや暗く | 暗め | かろうじて |
交換後 | やや暗く | 暗め | かろうじて |
交換前後で大して変わっていません。
LED交換(XP-G×2、砲弾型×4 → XP-G×2、OSW5DK5111A×4)
元々付いている砲弾型LEDを今時の砲弾型LEDに交換したら明るくなるのではないかと思いOSW5DK5111Aを購入しました。OSW54K5111Aと迷いましたが、電流はあまり流せないのでOSW5DK5111Aを選んでいます。
製品名 | 電流 | 輝度 | 価格 | 購入店 |
---|---|---|---|---|
超高輝度5mm白色LED OSW5DK5111A(10個入) | 20mA | 400000mcd | \300 | 秋月電子 |
超高輝度5mm白色LED OSW54K5111A(2個入) | 50mA | 450000mcd | \100 | 秋月電子 |
OSW5DK5111Aの極性です。
元のLEDを外してOSW5DK5111Aを取り付けます。
交換が終わりました。若干明るくなりましたが大した変化ではありませんでした。