ホワイトフラッシュスリムII点灯虫の分解とLED交換
ブリヂストンの0.5WLED採用オートライトの分解とLED交換を行います。
ホワイトフラッシュスリムII点灯虫
ブリヂストンのオートライト、ホワイトフラッシュスリムII点灯虫です。0.5WLEDを採用し、端子は1線のJ1端子が使われています。走行中はロゴの横の半透明部分がオレンジ色の点滅をします。
0.5WLED採用で古い製品なので結構暗めです。さらに手前のレンズのおかげか光がよく拡散しますが、光の強さが弱いので暗さに拍車をかけているようです。
底には光センサーとモード切替のスイッチがあります。常時点灯と、暗くなったら点灯のオートモードが選べます。
側面には自転車に取り付けるための金具が付いています。ここのネジを外すと、中にあるナットが筐体内部に入り込んでしまい、分解しないと戻せなくなります。多少緩めて角度を調節する分には問題ありません。
分解
LEDが見える位置まで分解します。
フタを開く
適当な細い棒(今回はマイナスドライバー)を、底のケーブルが出ている場所の隣に差し込み、テコの要領で持ち上げるとフタが開きます。棒を差し込んだ場所の隣に爪が隠れています。他の場所からこじ開けようとしても開きませんでした。
フタが開きました。
こんな感じの爪と溝がかみ合っています。この爪の反対側にも爪と溝があり、これら2点でフタが固定されています。フタを閉める時はここの反対側の爪と溝をかみ合わせてから、こちらをはめ込みます。
筐体内部
ナット
フタを開いたらまず上で少し触れたナットを確保しておきます。ここのナットにはアース線が挟んであり、自転車のフレームに接触してGNDとしても機能します。
とりあえず元のネジとナットを一緒にしておきました。
LED基板周り
LED基板は3本のネジで固定されています。それらを外すと手前の部分が少し持ち上げる事ができ、LEDが見えました。そこにノギスを差し込んで計ってみると、LEDの1辺は3.6mmでした。
前方部分はサイドLEDが固定されているため、そのままでは外す事ができません。とりあえずレンズを外しておきます。固定らしい固定はされていないので引っ張るだけで外れます。
サイドLEDの足のハンダを除去するのは面倒そうなので、ホットボンドを除去して外す事にしました。ピンセットの先端でホットボンドに切れ目を入れて、そこからLEDを引っ張り出します。LEDを外したら残ったホットボンドをピンセットで掃除します。
ようやくLEDが出てきました。
反射板とレンズ
反射板の写真を撮ってみると、中央付近に拡大されたチップLEDが見え、うまいこと光を前方に放射してくれそうです。
表面は全体がレンズになっており光をよく拡散してくれます。棒の上にレンズを置いてみるとギザギザになりました。
あまり広がらずまっすぐに光が伸びるNH-S95と並べると違いがよく分かります。
LED交換
LEDは秋月で購入しました。
名称 | 価格 | 販売店 |
---|---|---|
XPGWHT-L1-0000-00G51 | \100 | 秋月電子 |
XPGWHT-L1-0000-00G53 | \100 | 秋月電子 |
Web上では似たような製品が2つ並んでいましたが、店頭に行った時はG51だけあったのでG51の方を購入しています。
銀色の部分を手前にした時、画像右側がプラスで反対側がマイナスになります。
大きさは元のLEDとほぼ同じです。
LEDの取り外し
LEDの取り外しに取りかかります。テープで基板を軽く固定しておきました。
チップ部品を外す要領で、ハンダごてに先にハンダを盛って横から当ててみましたが、全く溶けません。
外すのは難しそうなので破壊する事にしました。ラジオペンチの先端でLEDをつぶします。このとき破片が飛んでくるので目に入らないように保護してください。
あらかたつぶしましたが端子上に電極のような長方形の金属板が残っています。ここにはハンダが乗らないので除去したいところですが、なかなか外せません。ハンダごての先端にハンダを盛って横から押し出すように当てると外す事ができました。画像の茶色い部分はフラックスです。
LEDの取り付け
ハンダ付けの準備をします。端子に少量ハンダを盛り、その上にフラックスを塗ります。
チップLEDを乗せます。基板の表示を確認して極性を間違わないようにします。
ピンセットなどでチップLEDを動かないように押さえ、ハンダごての先端にハンダを少量盛り、ハンダを盛った部分を横から当てます。ハンダが溶け始めてもすぐには離さず、数秒間を置いてからコテを離します。
左右両方の端子のハンダ付けが済みました。
横から見た図です。ちゃんと付いているか不安になるような状態です。動作確認には組み立てが必要なので、このまま進めます。
組み立て
LED基板のネジ止め
組み立てに入ります。まずは基板のネジ3本を取り付けます。このとき前から見てみると、反射面の中央にLEDが収まっていました。
サイドLEDの固定
サイドLEDの足を溝に納め、その上からホットボンドで固定します。
レンズの取り付け
レンズをかぶせます。サイドLEDが半透明の部分に来るように調節します。
ナットとアース線
ナットとアース線を溝に納めます。
ナットが動くと面倒なので、フタを閉める前に固定金具を取り付けました。
フタの取り付け
上で少し触れたフタを固定する2点の、もう1つの爪と溝をはめ込みます。
最後に底の爪と溝をはめ込んで組み立て終了です。
交換後
組み立て後、ハブダイナモに接続すると問題なく点灯しました。明るさはだいぶ明るくなり、前方広範囲を照らしてくれます。
パワーLEDに放熱板なしで大丈夫かどうかは気になりますが、LEDが壊れたらその時考える事にします。
LED交換その2
電流測定
リード線を付けて電流を計ってみたところ300mAと出ました。
LEDを2つ付けてみる
リード線を付けるためにCREEのチップを取り外す時にレンズを割ってしまいました。壊れてしまったか分からないのでそのまま作業を続けます。隣のチップはNH-S62 LED交換で取り外したNFSW036CTです。
リード線を外しCREE XP-Gを半分ずらして取り付けました。
ずらして空いたスペースにNFSW036CTを取り付けます。これで1チップあたりに流れる電流が分散して発熱が下がりチップの寿命が延びるかもしれません。結果はCREEのチップを取り外した時に壊したようで、NFSW036CTしか点灯しませんでした。
2つ付けると反射板を取り付ける事はできませんが、リーマーでLED付近の穴を広げれば付けられそうです。
NFSW036CTの取り付け
2つのチップを外してNFSW036CTを付け直しました。印の付いている方がマイナスです。
左が元々付いていたLEDです。NFSW036CTは元々付いていた物と形状は同じですが発光部が微妙に違うように見え、明るさも元のLEDよりかは明るくなったような気がします(以前の状態を見たのがずいぶん前なのでうろ覚え)。このライトを付けて真っ暗な土手を走ってみたところ、普通の速度で走る分には十分な明るさでした。
サイドLED交換
横のオレンジLEDを交換します。
NH-S62 サイドLED交換で購入したOS5OAA5111Aを使います。元のは3mmなので一回り大きいです。
LEDの足を曲げ、反射板とレンズを組み合わせLEDを現物に合わせて確認します。収まらない場合は足を曲げ直します。
取り付けできそうならホットボンドで固定します。固定前にLEDの極性があっている確認します。
元のLEDを外します。
サイドLEDを基板に差し込み、反射板をネジ止めします。
しっかり固定された状態で作業ができるのでハンダ付けは容易です。ハンダ付けが済んだらはみ出た足を切って組み立てて完成です。
元のLEDでもサイドLEDとしては十分明るかったですが、交換後は前側のリング状になった透明部分全体が光るようになって、より目に付きやすくなりました。
固定金具交換
使わなくなったサンヨーオートライトと取り付け金具の比較です。サンヨーのはまっすぐ伸びているのに対して、ホワイトフラッシュの方は曲がりが大きいです。曲がりが大きいとカゴの支柱にぶつかりやすいので、サンヨーの金具を移植してみます。
固定金具のネジはサイズが違ったので、元のネジを流用しています。
交換が終わりました。
支柱の内側に収まるようになりました。