Apple Pro Speakers
Apple Pro Speakersのケーブルを交換して他の機器に接続します。
Apple Pro Speakersの外観
透明なアクリル筐体のMac用スピーカーです。このスピーカーに使われている端子は2.5mmの4極端子で、手前の一般的な3極3.5mmステレオミニプラグより一回り小さいです。この端子は一時期のMacに搭載されていたアンプに接続するための専用品です。
これとは別にMac専用USBアンプとスピーカーが直結された物もありました。その場合でもスピーカー周りの加工はこの4極版と同じ事ができます。
正面付近
ドライバーユニット付近にはふたがはめ込んであります。
ふたは回しながら引けば外せます。クリーム色の出っ張っている部分はエッジで、触れるとゴムっぽい感触がします。初期のエッジは黒色のウレタンが使われていて、今ではその多くが朽ち果てています。なので購入する時はエッジを確認してください。中央付近のオレンジ色はエッジと振動板を貼り付ける接着剤が染み出てきたようです。
背面付近
ドライバーユニットの真後ろからケーブルが出ています。内部の配線はピンと伸びていて遊びはほとんどありません。
筐体内部に見える溝のような部分は内側から浅く広く削られています。底は平らになっていて滑り止めのゴム足が貼られています。
質量
そこそこ重さがあり手に持つと重量感があります。
筐体の分解
筐体の分解手順です。部品数が少なく容易に分解ができます。
ケーブルストッパーの取り外し
背面のケーブルを止めている部分に付いている穴に細い物を差し込んで回します。この部分を傷つけないように爪楊枝で試してみましたが折れました。
ラジオペンチの先端を差し込んで回したら外れました。
この部品にはネジが切ってあって反時計周りに回せば外れます。ラジオペンチで回すのは最初だけで、後は指で回せます。
ストッパーがしっかりとケーブルを挟み込んでいて動かせないので、内側の部分をニッパーでカットします。
元のケーブルはそのままに分解する場合は、すぐ下の作業のようにニッパーでなくラジオペンチで内側をつかみ、ストッパーを引っ張れば動かせるかもしれません。
ケーブルをラジオペンチでつかんでストッパーを引っ張るとケーブルから外れます。
スピーカーの取り外し
スピーカーのネジを外します。ここのネジ頭の穴は小さいので精密ドライバを使います。固めなのでNo.0(先端が小さめ)の長いドライバーを使うと作業が楽です。3カ所ネジ止めされているので全て外します。
スピーカーが外れました。同じ要領でもう片方のスピーカーも外します。
3.5mmプラグ付きケーブルに交換
ダイソーで販売されている105円の延長ケーブルです。これを途中で切り、切断部分をスピーカーにハンダ付けして3.5mmプラグで接続できるようにします。
ケーブルを止めている、ねじって止めるタイプの針金入りビニールひもは後で使うので取っておきます。
ケーブルの加工
ケーブルのカット
先端を合わせてケーブルの中間でカットします。今回はあとで反対側も使うため半分にしていますが、長さは用途に合わせて決めてください。
ケーブルを半分にカットして1.5mのケーブルができあがりました。
ケーブルを裂いて左右に分ける
このケーブルは2本のケーブルが接着されていますが、先端の中央をニッパーで少し切り、そこから裂いていくと二つに分かれます。
ケーブルの先端から1mぐらいの場所に上記のひもを巻き付けます。
ひもを巻き付けた地点までケーブルを裂きます。ひもがストッパーとなりそれ以上裂けないはずです。この辺りの長さも用途に合わせて決めてください。
しばらく時間が経過した後、この針金入りビニひもを巻き付けた箇所に変な跡が残ったので、結束バンドでも着けた方がいいかもしれません。
ケーブルストッパー
左右のケーブルそれぞれにケーブルストッパーを通します。
元の筐体内部の配線は7cm強でした。今回は少し余裕を持って10cmの位置に結び目を作っています。
結び目がケーブルストッパーに引っかかり、筐体内部のケーブルが引っ張られるのを防ぎます。
ハンダ付け準備
ケーブルにニッパーなどで軽く切れ目を入れて、そこから皮膜をくるくる回して取ります。画像のように中の線が見えるぐらい切らなくても軽く傷を入れて回せば取れます。中の芯線は色の付いている方が+です。
もう片方も皮膜をはぎ、筐体にケーブルを通します。
中の芯線は絶縁されていてそのままでは通電しないので、線の前の方をヤスリがけをします。根元の方までヤスリがけすると隣の線とショートするので気をつけてください。赤や青の表面の色が落ちて中の銅線の色が見えれば通電します。分かりにくいですが銅色の方もしっかり絶縁されているので4本全てに対してヤスリがけが必要です。やり過ぎると線が切れ、削りが甘いと通電しないので今回の作業の中で一番面倒な部分です。
ハンダ付け
元のケーブルの取り外し
ユニットの端子に元のケーブルが付いたままなので外します。元の配線は「右:青、左:白」と「右:茶、左:黄」となっています。ユニットに極性が書かれていないので、今回は深く考えず色の濃い方が+と決めて、右側に+を配線をしています。結構前に作業したのでうろ覚えですが、作業後に切断したケーブルの極性をチェックした時、プラスマイナスが今回のハンダ付けと逆だったような気がします。仮に極性が間違っていても、左右両方とも同じ配線ならそれなりに聞けるので、ハンダ付けはし直さずそのまま使っています。
なかなかハンダが溶けないので、端子にフラックスを塗り、端子にハンダごてを当て端子付近を少し暖め、手持ちのハンダを足すと、追加したハンダと一緒に元のハンダも溶けるのでハンダ吸い取り器(もしくは吸い取り線)でハンダを除去します。ある程度ハンダを除去したらハンダごてを当てながらケーブルを引っ張れば外れます。
ケーブルのハンダ付け
仮止めテープでケーブルを固定すると簡単にハンダ付けができます。フラックスを塗って、ハンダごてを当てて端子を暖め、ハンダを付けて、ハンダが乗ったらやや遅れてハンダごてを離します。同じ要領でもう片方もハンダ付けします。
組み立て
ケーブルのハンダ付けが終わったので組み立てます。
内部の配線は余裕を持たせたのでたるんでいます。
接続
3.5mm端子を持つUSB DACのXonar U1と接続してみました。これでパソコン電源ONと同時に使えるUSBスピーカーの完成です。USBケーブル一本でパッシブスピーカーを駆動できるアンプと組み合わせると手軽に音を出すことができます。今回はU1と接続するために3.5mmプラグのケーブルを使っていますが、他の機器と接続する場合は別のケーブルや端子を用意すれば使えます。