DIATONE DS-14P
ダイヤトーンのアクティブスピーカーを分解してパッシブ化します。
分解とパッシブ化
三菱電機のオーディオブランドDIATONEのアクティブスピーカーです。DIATONEのアクティブスピーカーは、他にもいくつか販売されていました。
第一世代 | 第二世代 | 第三世代 | |
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8.7cm | DS-51P | DS-71P | DS-14P |
6.4cm | DS-31P | DS-10P |
このシリーズは上位と下位でドライバーの大きさが8.7cm/6.4cmと差があります。全機種共通で液晶ポリマー振動板が使われています。DS-71Pはセンターコーンの部分にトゥイーターが付いた同軸2way方式になっています。三菱電機製PCのApricotにも、下位機種よりも小型の物が付属している機種がありました。
スピーカーのエッジにはウレタンが使われていて、経年劣化で崩壊します。DS-71P以外の機種を持っていましたが、どれもエッジが崩れ落ちてしまいました。
音質はDS-51Pがシリーズ内で一番よく感じられ(DS-71Pは未視聴)、DS-31Pはこもり気味、DS-10Pは31Pと比較して音が明瞭になるも低音が薄め、DS-14Pは可もなく不可もなく、といった感じでした。確か51Pと71P、31Pと10Pは同じドライバーが使われていたので、アンプで音質差が付いていたようです。DS-31Pの形状が気に入って、トゥイーターを増設したり(取り付けを想定したようなくぼみ有り)コンデンサをMUSEまみれにしたりと手を加えましたが改善しませんでした。
前面には電源スイッチ、ヘッドホン出力、3Dボタン、BASS・音量調整があります。3D機能は当時のアクティブスピーカーでよくありましたが、音質を大きく損ないます。側面は特に何もありません。
右スピーカーに機能が集中しています。入力はRCAと3.5mmの2系統を持ち、出力も付いています。黒いRCA端子に左右をつなぐケーブルを接続します。左スピーカーはこのままパッシブスピーカーとして使えます。分解時はRCA端子のそばにあるネジ2本を外します。
分解
ネジは背面上側の4本、端子付近の2本、下側の2本を外します。
ネジを8本外すと筐体を開くことができます。今回の作業に不要ですが、前面付近の6本を外すとサランネットを外すことができます。
中身の部品など
ネットを外すとドライバーユニットの前面が拝めます。振動板はうっすらと青みがかった液晶ポリマー振動板です。エッジは一見無事に見えなくもないですが、随所にヒビが入って崩壊が進行しています。現時点で20年近く経過しているので、よく持っている方でしょう。ネットを外したままだと危険なので戻しておきます。
ドライバーのマグネットは大きめです。背面にはP-0819Fと書かれています。
パワーアンプにLA4485、3D処理にYSS247-D、あとはヘッドホン用か何かのNJM4558Dが見えます。3D機能付きのアクティブスピーカーを分解すると大抵ヤマハのチップが入っていました。
分解の続き
大きな金具を止めているネジは上部の2本や入出力基板の裏、メイン基板の裏に2本あります。
金具を外しました。金具を外すと入出力基板も外せますが、邪魔なのでそのまま付けておいた方がよいでしょう。
メイン基板を外すには、前面4隅のネジを外します。
ボリュームやBASSを回す時につかむノブも基板の固定に一役買っています。ネジを外したあとに基板を引っ張ればノブも外れます。
ハンダ作業
スピーカーから伸びている、赤白2本のケーブルを外します。裏からハンダごてを当ててケーブルを引っ張れば簡単に外れます。赤がプラスで白がマイナスです。
黒いRCA端子のそばにある、赤白白のケーブルを外します。このケーブルは、メイン基板から左チャンネルのスピーカー出力を乗せて、黒いRCA端子につながっています。そこを乗っ取って右スピーカーを直接つなげます。
赤白白ケーブルがあったところに赤白ケーブルをハンダ付けします。赤白白ケーブルとは色の並びが異なっているので気をつけてください。この時点で黒いRCA端子に音声を入れたら音が出るので、ハンダ付けをしたら動作確認をするとよいでしょう。画像の失敗例は組み立て後の確認で発覚しました。
スピーカーと入出力基板だけが残りました。組み立ては入出力基板を先に筐体へ取り付けます。あとは筐体を閉じてネジを締めてパッシブ化は終了です。
ボリュームなどの開いた部分はブチルゴムあたりを詰めておくとよいでしょう。
アンプと接続
RCAスピーカーケーブルを使ってTA2020のデジタルアンプにつなげてみると、記憶の中にある内蔵アンプの音よりもずっと良い音を出してくれます。