ES-OT4とたわし
ES-OT4にたわしアースを直結させます。2014年12月発売の雑誌付録ですが、2023年時点でも基板単体で販売が続いています。
Stereo2012年1月号から2016年1月号まで毎年続いた雑誌付録第4弾のUSBノイズフィルターです。箱を開くと静電気防止袋が1つ見えます。前3作のようなUSBケーブルやACアダプタ、支柱やホコリよけなどの付属品はありません。
基板上の部品実装具合も、過去3作と比べてすっきりしています。画像クリックで拡大します。
USBケーブルの中には4本の線が入っています。内訳は「GND」、電源ライン「+5V」、データライン「DATA+」「DATA-」です。
ES-OT4は電源ライン用に「コモンモードノイズフィルター」「ディファレンシャルモードノイズフィルター」、データライン用に「高周波用コモンモードチョークコイル」が実装されています。
ノイズフィルター | ||||||
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スイッチ | 外部電源 | USB+5V | 電源ライン | データライン | 備考 | |
バスパワーモード | INT | 未接続 | 内部電源 | 有効 | 有効 | |
外部電源モード | EXT | 接続 | 外部電源 | 有効 | 有効 | 5V1AのACアダプタから電力を供給 |
DCカットモード | EXT | 未接続 | 遮断 | 無効 | 有効 | バスパワーではないUSB機器用 |
どのモードでもスイッチをINTにしてから、USBケーブルの着脱を行います。EXTのまま着脱すると、PCが故障する可能性があります。
電源ラインの終段では突入電流制御を行います。そのおかげかXonar U1の大きなポップノイズが少し和らぎました。
雑誌付録はOT5までで、あとはムック本の付録や通販限定になりました。ES-OT4以外はすべてLUXMAN製で、型番先頭にLXと付きます。LXでは欠番だったOT4は、後に通販限定のデジタルアンプの型番として使われます。
発売 | 型番 | 用途 |
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Stereo誌付録 | ||
2011/12 | LXA-OT1 | デジタルアンプ |
2012/12 | LXU-OT2 | USB-DAC + ヘッドホンアンプ |
2013/12 | LXA-OT3 | デジタルアンプ |
2014/12 | ES-OT4 | USBノイズフィルター |
2015/12 | LXJ-OT5 | 入力端子専用RCAショートピン |
ムック本付録 | ||
2018/05 | LXV-OT6 | 真空管ハーモナイザー |
2018/12 | LXV-OT7 | 真空管プリメインアンプ |
2019/09 | LXV-OT8 | 真空管FMチューナー |
2020/06 | LXV-OT9 | 真空管グラフィックイコライザー |
2020/12 | LXV-OT10 | 真空管フォノイコライザー |
通販限定 | ||
2019/09 | LXV-OT7 mkII | 真空管プリメインアンプ |
2020/09 | LXV-OT6 mkII | 真空管ハーモナイザー |
2020/11 | LXA-OT4 | デジタルアンプ |
簡易ケースとアース
ケースを用意せずむき出しの状態で使っていたところ、基板裏側のUSB端子をショートさせてしまい、接続していたUSB-DACのファームウェアが破損して動作しなくなりました。事故防止のため、簡易ケースとしてビンのフタに穴を開けて基板を挟むことにします。
金属フタ簡易ケース
鉄製のフタなのでポンチ・ピンバイス・リーマーで穴を開けました。それら工具がないならポンチ代わりに千枚通しで当たりを付けて、100均の3mmドリルビットを差し替え式のドライバーと組み合わせピンバイス代わりにして穴を開ければ、支柱のM3ネジが通せます。
基板のネジ穴は1か所だけGNDと接続されます。ほかの3か所は非金属のワッシャーも使えますが、GNDのある部分は金属ワッシャーを使わないと、GNDが絶縁されます。
これでショートはしづらくなります。ビンのフタなのでビンを取り付けることもできます。
たわしアース
ビンに金属たわしを詰め込んで、基板のGNDと接触させます。シャーシ電位の変化はあまりなく(今回のビン1つで0.5V弱)、表面積が大きな金属たわしでGNDを強化できます。
使用したたわし
2022年時点だとステンレスたわしは100均各系列にありますが、内容量は40gから100gとパッケージによって差があります。今回は25g×4個のパッケージを3つ使っています。銅たわしはセリアにあります。
支柱でアース棒
支柱を組み合わせてGND直下の支柱にネジ止めし、アース棒代わりにします。たわしをつぶしてビンに詰め込みました。フタを閉めようとすると、支柱がなかなか奥まで入りません。そこで先に支柱を入れて、たわしを広げて支柱に通しながら詰め込みました。
880gジャムの空きビン(重さ333g)、ステンレス25g×6個+銅20g×1個を使いました。銅は20gだけだと意味はなさそうですが、おろしたての10円玉のような鮮やかさがよいです。
ビンを増設
簡易ケース上面もビンのフタなので、上面にも支柱アース棒を付けてたわしを増設しました。ビン1つでもオカルトグッズのようになっていましたが、2つになるとさらに悪化します。ビン2つ装備時の重さは1.1kgです。
簡易アース
そばに金属ラックなどの大きな金属製品があるなら、それとGNDを接続すると簡易アースになります。
ミノムシクリップで支柱のネジを挟み、それを鉄製PCケースに付けました。シャーシ電位が20V強あるノートPCで、そこから約10V下がりました。人体アースほどではないですが、ES-OT4単体では素通りのGNDライン経由のノイズにも効果があります。
金属ケースの塗装部分は絶縁されているので、テスターで導通が確認できる場所を探してクリップで挟みます。PCはノイズ源ですが、電源ケーブルを接続していないPCケースなら、ただの大きな金属の塊なのでアース代わりに使えます。
アース端子増設
ビンを2つ付けるとネジが隠れるので、ネジ穴GND部分の金属ワッシャーを細長い板状の金具(何かのヒートシンク固定用?)に変更しました。もう1台PCケースを接続すると電位が少し下がりました。
GNDライン
アース付きES-OT4をつなげたPCの音声端子もノイズが軽減します。
共通GND | ||||||||
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PC | ←USB線→ | ES-OT4 | ←USB線→ | USB-DAC | ←音声線→ | アンプ | ←音声線→ | スピーカー |
↑↓ | ||||||||
アース |
USBケーブルや音声ケーブルのGND経由ですべての機器のGNDはつながっているので、接続中の機器すべてに影響があります。
GNDラインを切り離す
PC側GND | 音響機器側GND | |||||||
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PC | ←USB線→ | USB-DDC | ←光線→ | DAC | ←音声線→ | アンプ | ←音声線→ | スピーカー |
PCのノイズがどうしようもない場合、光デジタルケーブルを使うとノイズ源から切り離せます。逆にデジタル音声接続でGNDをつなげたいなら、同軸デジタルケーブルを利用します。