オーディオテクニカのヘッドホンアンプ

AT-HA20の部品の交換を行います。

2001-20032005/20092010-20122013-20142017
据え置き型
フルデジタルDHA3000
A級動作HA2002HA5000
アナログ入力HA20HA21
真空管プリHA22TUBE
デジ/アナ入力HA26D
ローエンドHA2
多出力HA60HA65
USB接続HA70USB
HA40USB
HA90USB
HA30USB
Dock端子接続HA35i
ポータブル
デジ/アナ入力PHA100
BluetoothPHA05BTPHA50BTPHA55BT
Dock端子専用PHA30iPHA31i
アナログ入力PHA10PHA20iS

いくつかの機種は型番の末尾に「LTD」が付く限定モデルも販売されていました。

AT-HA20のコンデンサ交換

部品は2014年に購入したのものです。

購入コンデンサ袋詰め 購入したコンデンサ

以下のコンデンサを購入しました。MUSEはニチコンのオーディオ用コンデンサ、FGはFine Goldの略でMUSEシリーズのハイグレード品になります。そんなハイグレード品も秋月で購入すれば、AT-HA20で使われている全ての電解コンデンサを交換しても\370と安価になります。

用途製品価格個数合計購入店
C3,4,14,15 16V1000uFMUSE FG 16V1000uF\504\200秋月電子
C10,11,12,13 16V100uFMUSE FG 25V100uF\204\80秋月電子
C5,6,7 25V47uFMUSE FG 25V47uF\203\60秋月電子
C8,9,16 16V10uFMUSE FG 50V10uF\103\30秋月電子

耐圧が元の物と違う物がありますが、多少増える分には問題ありません。しかし、MUSE FGは元のコンデンサよりも一回り大きいので安易に高い耐圧の物を選ぶとそのまま置き換えする事が難しくなります。今回の1000uFは16V品でないと隣と接触しそうです。

コンデンサの大きさ比較 コンデンサの足の太さ

秋月ではFGと大差ない価格でMUSEシリーズの最高グレード品KZも取り扱われていますが、サイズが大きく元のコンデンサと同じように実装する事ができないので、特にこだわりがないならFGを選んだ方が無難です。

コンデンサの外し方

足のハンダを溶かす コンデンサを倒す

ハンダごての先端にハンダを少量盛るか、足の部分にハンダを盛ります。そのままハンダごてを当てても元のハンダはなかなか溶けません。ハンダが溶けたらコンデンサを指で押すと画像のように持ち上がって斜めになります。

もう片方のハンダを溶かす コンデンサを外す

もう片方の足でも同様にするとコンデンサが取れます。コンデンサを外したらハンダが残ったままになるので、吸い取り機で吸い出せば別のコンデンサを取り付けられます。コンデンサの足が付いたままだとなかなか吸い取り機で吸い出せませんが、コンデンサを外してしまえば容易に吸い出せます。

画像は16V1000uFの大きめなコンデンサですが、小容量のコンデンサなら両足を同時に温めて一気に外す事もできます。

元の電解コンデンサの除去

AT-HA20で使われている電解コンデンサの極性はヘッドホン端子側がマイナスで統一されています。基板にも極性が印刷されていますが、コンデンサを取り外す前に確認するとよいでしょう。

C3,4,14,15 16V1000uF

16V1000uF 16V1000uF外し後

C10,11,12,13 16V100uF

16V100uF 16V100uF外し後

C8,9,16 16V10uF

16V10uF 16V10uF外し後

C5 25V47uF

25V47uF 25V47uF外し後

C6,7 25V47uF

25V47uF 25V47uF外し後

電解コンデンサの取り付け

極性を間違えないようによく確認してから取り付けます。何となく作業をしていると逆にしてしまう事がよくあります。

C5,6,7 25V47uF

25V47uF比較

この耐圧容量だと大きさにあまり差はありません。

C5取り付け C6,7取り付け

C3,4,14,15 16V1000uF

16V1000uF比較 ケースに入るか確認

結構大きさが違います。取り付ける前にケースに合わせてみると大丈夫でした。

FGの16V品はφ12.5mm x 高さ25mm、FGの25Vはφ16mm x 高さ25mmと直径が広く、そばのコンデンサに干渉しそうです。KZの25V(16Vはない)はφ16mm x 高さ36.5mmはFGの25Vから高さが増えてケースに接触しそうです。

C3,4,14,15取り付け

C10,11,12,13 25V100uF

100uF比較

一見大きさに大差はないように見えます。

足の幅が合わない 隣同士で干渉

しかし、足の幅が合わずに奥までしっかり差し込めず、直径が大きく隣のコンデンサに干渉して斜めになっています。

足を曲げる テープで調整

そこで足の根元を内側に曲げてから途中で外側に曲げ、ハンダ付け前にテープで2つのコンデンサをまっすぐになるように固定してからハンダ付けしました。

C10,11,12,13取り付け

C8,9,16 50V10uF

10uF比較 C8,9,16取り付け

元のコンデンサと大きさに差はほとんどなく、そばのスペースもあるので問題なく取り付けられます。FGの小容量は耐圧50Vや100Vしかありませんが、どれもφ5mm x 高さ11mmで小型です。

電解コンデンサの交換完了

電解コンデンサの交換完了

全ての電解コンデンサの交換が終わりました。ケースや基板にスペースはありますが、部品は密集しているのであまり大きな部品に交換する事はできません。コンデンサを寝かしたり線を伸ばすなどすれば実装はできますが、天板から見える中身が残念な事になるでしょう。

フィルムコンデンサの交換

C17,18のフィルムコンデンサ C17,18取り外し

ついでにフィルムコンデンサも交換します。

フィルムコンデンサ比較

適当に黄色のフィルムコンデンサを購入しました。

用途製品価格個数合計購入店
C17,18 0.047uF指月MSC 63VDC 0.047uF\502\100千石電商
指月MSC取り付け

足の幅も同じで容易に取り付けできました。見た目で決めたコンデンサですが、天板のこの部分は隠れていて見えませんでした。

セラミックコンデンサの交換

C1,2 0.1uF

TCD21E +541 100VDC 0.1uF

下の抵抗を海神無線で買う時に、ついでに何か使えそうな物はないかとHPを眺めていたところ、オーディオ用のセラミックコンデンサがあったので購入しました。

用途製品価格個数合計購入店
C1,2 0.1uFTCD21E +541 100VDC 0.1uF\1002\200海神無線
C1,2 C1,2交換後

ラジオペンチでつかみながら裏側からハンダを溶かして外しました。足のピッチが合わないので曲げてから取り付けています。

C19,20 100pF

ERO KP1830 100VDC 100pF

上のオーディオ用セラミックコンデンサで適応する容量がなかったので適当に別の物を選びました。

用途製品価格個数合計購入店
C19,20 100pFERO KP1830 100VDC 100pF\1302\260海神無線
C19,20 C19,20交換後

こちらも上のセラミックコンデンサと同じように交換しました。

AT-HA20の抵抗交換

部品は2014年に購入したのものです。

購入した抵抗

抵抗を全て交換します。以下の部品を購入しました。合計価格は630円で、電解コンデンサと合わせてちょうど1000円になりました。

用途製品価格個数合計購入店
R19,20フィリップス MRS25 1/2W 4.7Ω\302\60海神無線
R21,22ニッコーム RP-24C 1/2W 33Ω\302\60千石電商
R23,24タクマン REY 1/4W 33Ω\302\60海神無線
R12,13タクマン REY 1/4W 300Ω\302\60海神無線
R6,7タクマン REY 1/4W 620Ω\302\60海神無線
R14タクマン REY 1/4W 1kΩ\301\30海神無線
R1,3,10,11タクマン REY 1/4W 2.2kΩ\304\120海神無線
R17,18タクマン REY 1/4W 47kΩ\302\60海神無線
R8,9,15,16タクマン REY 1/4W 750kΩ\304\120海神無線

REYは千石でも取り扱っています。一部値が欠品になっている事があるので事前に調べておいた方がよいでしょう。REYに4.7Ωはないので、そばに陳列されていた別の金属被膜抵抗を選んでいます。千石で金被を買う場合はKOA 1/2W 4.7Ω(店頭で10円)が安上がりです。

RP-24CはR21,22の位置なら取り付けしやすそうなので試しに購入しています。ここもREYで問題ありません。ワット数は今回の用途ではいくつでも良さそうですが、値が大きくなるほど抵抗のサイズも大きくなります。

R1,3,10,11 2.2kΩ 赤赤赤金(赤赤黒茶茶)

R1,3,10,11 2.2kΩ R1,3,10,11取り外し

電解コンデンサは最初に全て外しましたが、抵抗は付け間違える自信があるので交換する場所だけ付け外しをしています。抵抗はハンダを溶かしながら引っ張る事は難しいので、普通に吸い取り機でハンダを除去してから外しています。

2.2kの金被 R1,3,10,11交換後

取り付ける抵抗のみ取り出しました。2.2kの金被抵抗のカラーコードは赤赤黒茶茶の並びで、炭素皮膜抵抗と表記が若干異なります。抵抗を取り付ける時はテープで固定してから行うと楽です。

R8,9,15,16 750kΩ 紫緑黄金(紫緑黒橙茶)

750kの金被 R8,9,15,16交換後

6つ密集している部分の両端を交換しました。

R17,18 47kΩ 黄紫橙金(黄紫黒赤茶)

R17,18交換後

真ん中の抵抗を交換します。

R14 1kΩ 茶黒赤金(茶黒黒茶茶) / R6,7 620Ω 青赤茶金(青赤黒黒茶)

R14,6,7 R14,6,7交換後

数も減ってきたのでまとめて交換します。抵抗に描かれているカラーコードをよく見て間違えないように気をつけます。

R12,13,19,20,23,24

R12,13,19,20,23,24 R12,13,19,20,23,24撤去

まずは全て外します。

R23,24 33Ω 橙橙黒金(橙橙黒金茶)

R23,24取り付け

内側からハンダ付けしていきます。6.3mm標準ジャックに出力される音声信号はここの抵抗を通ります。

R12,13 300Ω 橙黒茶金(橙黒黒黒茶)

R12,13取り付け

R19,20 4.7Ω 黄紫金金(黄紫黒銀茶)

R19,20取り付け

R21,22 33Ω 橙橙黒金(330)

R21,22 R21,22交換後

3.5mmミニジャックに出力される音声信号はここの抵抗を通ります。

交換終了

交換終了

一通りの部品交換が終わり組み立てました。

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