SONY MDR-XBシリーズ
エクストラベースシリーズのヘッドホンの分解を行います。
目次
EXTRA BASSシリーズのヘッドホン
ラインナップ
全機種生産終了しています。
2008 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2017 | |
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70mm | XB1000 | ← | ← | |||
50mm | XB700 | ← | XB900 | XB920 | ||
40mm | XB500 | ← | XB600 | XB610 | XB950 | ← |
30mm | XB300 | ← | XB400 | ← | XB450 | XB550 |
Bluetooth | XB950BT | XB650BT |
2013年の製品は前年のデザイン変更モデルです。海外では2012年にXB800、2013年にXB200、2014年にXB250を発売しています。
第1~2世代の仕様
エントリー | ミドルレンジ | ハイクラス | |||||||
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型番 | XB200 | XB300 | XB400 | XB500 | XB600 | XB700 | XB800 | XB900 | XB1000 |
発売 | 2013 | 08/11 | 12/10 | 08/11 | 12/10 | 08/11 | 2012 | 12/10 | 11/02 |
価格 | ¥4700 | ¥8300 | ¥11800 | ¥17500 | ¥29500 | ||||
形式 | 密閉ダイナミック型、XBドライバーユニット(エクストラベース振動板)搭載 | ||||||||
口径 | 30mm | 40mm | 50mm | 70mm | |||||
コイル | CCAWボイスコイル | OFCボイスコイル | |||||||
帯域 | 5-22kHz | 4-24kHz | 3-28kHz | 2-30kHz | |||||
抵抗 | 24Ω | 40Ω | 24Ω | ||||||
感度 | 98dB | 100dB | 104dB | 106dB | |||||
入力 | 1000mW | 1500mW | 1000mW | 3000mW | |||||
長さ | 1.2m | 2.0m | |||||||
質量 | 120g | 150g | 185g | 220g | 295g | 290g | 375g |
第1世代のXB500/700/1000は耳を覆うタイプのキングサイズイヤークッション、XB300と第2世代は耳乗せタイプのイヤーパッドを採用しています。
MDR-XB500の分解
やたらと大きいイヤーパッドが特徴のXB500です。
装着するとパッドがつぶれて肌に密着します。ケーブルは両出しできしめんタイプの平らなケーブルが使われています。
ヘッドバンドのソフトレザーは経年劣化で剥がれてきます。調節を行うアーム部分は薄くてもろそうです。
イヤーパッドはネジ3本で止められています。No0の長いドライバーがあれば外しやすいでしょう。専用の形状でネジ止め式のため他機種のパッドの流用は難しいです。
パッドの厚さは40mmです。純正品の代わりになるかは分かりませんが、Amazonで互換品のパッドが2種類販売されています(2015年7月時点)。
パッドを外すと妙にコンパクトになります。この状態で音を鳴らすと、低温が薄れてそこそこ普通に聞こえます。
ハウジングはネジ3本で止められています。うっすらと同時期のSONY製品でよく使われていたプロテクターが見えます。
ハウジング内部に空気が通るスリットが開けられています。
赤線:Rch+、緑線:Lch+、銅色の線:GNDになります。ドライバーの外形は約42mmになります。大きさが同じMDR-XD100/XD200/XD300のドライバと交換できるかもしれません。
組み立て時、ケーブルの結び目がドライバの基板に当たるような向きで取り付けます。適当に取り付けると紙がへこみます。
MDR-XB700の分解
イヤーパッドが見ての通りの劣化っぷりなので取り外して掃除をします。
ハウジング内部
上のMDR-XB500と同じようにXB700もパッドの内側にネジがあるので同じ要領で外してみると、目的のパッドだけでなくドライバーユニットも外れました。このまま中を見てみます。
配線は画像左側がGNDで茶色の線、画像右側がプラスで右chは赤線、左chは緑線でした。断線しても、代えのケーブルがあればすぐに交換できそうです。
ハウジング内部にはXB500と同じように通気口があります。外から見るとスリットがヘッドバンドの陰に隠れています。
ハウジングは横から見ると薄いです。分厚いパッドと比べると余計にそう見えます。
パッドとハウジングの固定とネジ
バッフル側のネジは3箇所ありますが、1箇所だけ2本付いているので計4本です。外すにはNo0の先端が細いプラスドライバーが必要です。
2本付いているところは横並びで、右側が固定用ネジです。左ハウジングの突起のすぐそばにパッド固定用ネジがあります。ネジを外してパッドを回すとパッドを外せます。
パッドの裏面にはプラスチックのリングが付いていて、ネジを固定する部分の他に爪がいくつかあります。パッドを筐体に取り付けて回すと、爪が筐体のコの字状になった部分とかみ合って固定され、そこをネジ止めすることでしっかりとした固定ができます。
イヤーパッド掃除
劣化したパッドの表面を指でこすると、表面の皮がボロボロと崩れ落ちていきます。おおまかに落としたら紙テープなどで細かいゴミを取り除きます。
並べてみると結構違います。片側よりかは若干マシな状態のパッドと、皮を削り落としたパッドを左右に付けて音を鳴らしてみます。皮を剥がすと低音が逃げるのか、剥がした方はやや物足りない感じがします。
ヘッドバンド掃除
バンドもボロボロになっているので表皮をはぎ取ります。表皮の下のバンドを覆っている部分が非常にもろそうです。剥がれかけている部分を持ち上げて剥がし、こする時はなるべく力を入れないようにします。
バンドの内側も劣化が始まっているので全て剥がしました。
イヤーパッドのサイズ
パッドの厚さは45mmです。
交換用パッド
パッドの互換品がAmazonで売られていますが、2015年10月時点では純正品もまだ手に入るようです。ヨドバシでも取り寄せながら片側1つ864円(ポイント付き)です。販売店があれば「A-1602-804-A」で検索をすれば見つかるはずです。