Pioneer HDJ-1000
交換用ケーブルを作成します。
劣化部分の除去
経年劣化で崩れてきたスポンジやパッドの掃除をします。
パッドの掃除
パッドの表面がボロボロに崩れていて、そこらにゴミをまき散らしてしまいます。この表面は粘着テープで取り除く事ができます。
掃除完了しました。
スポンジの除去
振動板の手前にあるスポンジが崩れて一部が中に入り込んでいます。スポンジをピンセットでつまんだり100円ブロワーで吹き飛ばしたりして除去しました。ピンセットを使う時は中の振動板に傷を付けないように慎重に行います。
ハウジングのサイズ
ハウジングの大きさは90mmです。
ケーブルの外し方
HDJ-1000はケーブル交換が可能とありますが、プライヤーで引っ張っても端子が回るだけで外れません。
ケーブルが付いている側のイヤーパッドを外します。ケーブルのそばに金具を固定するネジが付いています。
ネジを外すと金具が外せます。
金具を外すとケーブルの着脱が可能になります。右の画像のように金具が端子をしっかり押さえ込んでいたため外せなかったようです。
2.5mm-3.5mmケーブルの作成
片側が聞こえなくなったケーブルの代わりを用意します。
使用するケーブル
片方の端が3.5mmプラグ、もう片方の端は切断した適当なケーブルを用意します。今回はSE-M500を分解した時に出てきたケーブルを使います。これもパイオニアのヘッドホンですが、断線さえしていなければメーカーや用途など問わず何を使ってもかまいません。
2.5mm端子
秋月電子で60円で購入した2.5mm端子です。回すと外れます。
この端子のピンアサインです。他の2.5mm端子では違うかもしれないので、その時はテスターでチェックする必要があります。
2.5mm端子の加工
この端子をHDJ-1000に差し込んでみると、先端は届きますが奥まで入り切りません。そこで2カ所だけほんのわずかヤスリで削ります。
削った部分を横にして差し込むとぴったり収まります。
ケーブル作成
ケーブル内の線の割り当て
適当な3.5mm端子のケーブルをカットすると中から3本の線が出てきます。色と配線の割り当ては画像のようになります。大抵はこんな感じですが、例外もあるかもしれないのでテスターで3.5mm端子を使って通電チェックをした方が安全です。
3.5mm端子から2本の線が出ているタイプは、それぞれのケーブル内に2本ずつ線が入っており、両方のケーブルにGNDが含まれるので、そのGND2本をまとめて配線します。
ハンダ付け準備
これからハンダ付けを行いますが、ケーブルが長すぎたので短くカットします。カットしたらケーブルの先端をヤスリで軽く削って、表面の皮膜を剥ぎます。色が落ちて、中の銅色の線が出てくればOKです。GNDの線も同じ銅色で分かりにくいですが皮膜を剥ぐ必要があります。
端子のカバーを通す
ケーブルに端子のカバーを通しておきます。向きを逆にしないように気をつけます。ここでミスするとハンダ付けをやり直す羽目になります。
ケーブルの固定
2.5mm端子の端の部分はケーブルを固定する爪になります。
ケーブルを差し込んでラジオペンチでつかみます。つかむ方向や位置を変えながら、爪をケーブルに軽く食い込ませて、ケーブルが引っ張られても抜けないようにします。
Rchのハンダ付け
まずは右チャンネルのハンダ付けから行いました。2.5mm端子にハンダが乗りにくい上に作業スペースがあまりないので、そばの樹脂を溶かしてしまいました。できは悪いですが通電の確認が取れたので先に進みます。
Lchのハンダ付け
続けて左チャンネルのハンダ付けを行います。思いっきり芋ハンダになっていますがうまく直せず、通電の確認は取れたので先に進んでいます。
GNDのハンダ付け
最後に端子をひっくり返してGNDのハンダ付けを行います。裏面の端子全体がGNDになっているので、どこに付けてもOKです。
カバーの取り付け
端子のカバーを取り付けケーブルが完成です。早速ヘッドホンに接続してみると、左右から音が出ました。