audio-technica 耳掛け型ヘッドホン
オーテクの耳掛けタイプのヘッドホンを扱います。
耳掛け型は新製品が登場しなくなり、一部の旧製品の販売が継続しているだけになりました。
2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2008 | 2011 | 2022 | |
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¥18000 | EW9 | ← | ← | ← | ← | ← | ← | |||
¥16000 | EM9D/9R | ← | ← | EM700Ti | ← | ← | ||||
¥10000 | EM7 | ← | ← | ← | EM700 | ← | ← | |||
¥6000 | EM5 | ← | ← | ← | ||||||
¥3000 | EQ77 | ← | EQ700 | |||||||
¥2000 | EZ3/5 | EQ5 | EQ8 | ← | EQ88 | EQ66/44 | ← | EQ600 | EQ500 | ← |
¥1000 | EQ2 | ← | EQ3 | EQ33 | ← | EQ330 | EQ300 | ← | ← |
音量調節が付いたEQ301や型番末尾がLVなどの派生品もあります。
ATH-EW9のパッドの付け直し・分解・振動板のへこみ・ラバーサポート・可動部へ注油
イヤーパッドの付け直し
イヤーパッドの一部が剥がれかけています。隙間に両面テープを挟んでみたりしましたが張り付きません。いったん剥がして付け直す事にします。
パッドの中にはドーナツ状の外枠とクッション用のスポンジが入っていて、取り出す事ができます。
大きさです。同じ大きさで切り出せば別の素材を中に入れる事ができます。
厚さはどちらも5mmです。
パッドを貼り付けていた粘着物を取り除こうとZippoオイルやテープを貼り付けてみましたが歯が立ちません。
取れない物は仕方ないので気にせず両面テープを上から貼り付けて取り付けます。細かく切って周囲を囲むように両面テープを貼り付けて、はみ出た部分はハサミで切り取ります。非常に面倒です。
両面テープを貼り付けたらドーナツ状の外枠をはめ込みます。続けてクッションを中央にセットして小さな棒で軽くつついて形を整えます。
形を整えたらパッドをハウジングに貼り付けます。綿棒で外側をこすってしっかり貼り付けます。
ハウジングの分解
ふたを開けてみます。戻すのが面倒なので用が無ければ開けない方がいいです。保証がある場合は保証が無くなるのでなおさら開けない方がいいです。
百均の六角レンチセットに入っていた1.5mmの六角レンチです。これでハウジング表面のネジ3つを外します。
ハウジングを外しました。吸音材が見えます。画像の吸音材はドライバーユニットの方に付いていますが、組み立てる時はハウジングに納めた方がやりやすいです。
吸音材は2枚重ねになっています。吸音材をどかすとドライバーユニットが見えます。このユニットは接着剤で枠に固定されているようで、取り外すのは難しそうです。組み立て時に画像下側の部分のネジ穴に、耳かけの根元の部分をセットします。ふたを閉じる時にそのすぐそばの線を挟みそうなので閉じるのが大変になります。
ケーブルストッパーは持ち上げると簡単に外せます。ドライバーの端子は他のオーテクヘッドホンと同じように、銅色はGNDで緑色の線はLchになります。右側は開けていませんが赤色の線がRchになっているはずです。ケーブル交換は容易に見えます。
振動板のへこみ処理
何が原因か分かりませんが音を鳴らした時に、時折左側からビリビリといった感じのノイズ音が出ます。イヤーパッドに髪の毛が刺さっていて、振動板に触れたりするとそういった音が出るのですが、パッド付け直し時にそれらしき物はありませんでした。
ドライバーユニットの裏側にふさがれていない穴があります。試しにそこからブロアーで軽く風を送ってみると、パリパリと薄いビニールのような振動板が動くような音が聞こえました。その状態で音を鳴らしてみるとノイズは出なくなりました。ここでエアーダスターを使うと振動板を破くかもしれません。違う機種ですが振動板のイメージはEH-V115の下の方が参考になります。
元通り組み立てて聞いてみると何か違和感があります。
ヘッドホンで歌を聴くと、歌手の声は頭の中央あたりに定位して聞こえますが、現状だと右にずれて聞こえます。右にずれて聞こえるという事は、左より右側の音量が大きくなっています。今回は左のドライバーユニットの調子がおかしいので、左側の音量が下がっているようです。
へこみ修理ではスピーカーのセンターキャップがへこんだ時に音量が下がる現象が起きました。今回も似たような状況になっているのかもしれません。ドライバーユニットは外せずテープを使った処置ができないので掃除機を使う事にします。
今回使う掃除機は強弱5段階のモードがあるので、一番弱い物から試します。小さい穴に掃除機を当てると、すごい力で吸い込み始めるので、すべての穴をふさがないように加減と様子見をしながら作業をします。下手すると振動板を破損してしまいます。
最弱と弱モードで吸い出してみましたが効果はありませんでした。中の強さで2~3個の穴に掃除機の先端を当てて一回り吸い出してみると、鳴らし始めだけバリバリと音は出ましたがそれ以降は問題も無く音量は左右同じになりました。
ラバーサポートの劣化
ゴム製品でよく見られる経年劣化で表面がべたついています。
アルコールや適当なクリーナーで汚れを落として乾かします。汚れを取ったらアーマーオールを塗ります。30分程度したらもう一度塗っておきます。
塗ってからしばらく経過しましたが、べたつきのない状態を保っています。
可動部に注油
片側だけ可動部が白くなり、動作に抵抗が出るようになりました。そこで注油をすることにします。
周囲をカバーしてから注油します。液体のシリコンスプレーなどを使うとよいでしょう。隙間がほとんどないので画像のようなグリスは塗りづらいです。作業後はスムーズに稼働するようになりました。