SONY PHA-1の基板活用

ガリノイズが発生したPHA-1を修理に出すと基板交換になり、元の基板は返却されます。ここではその基板を扱います。

バスパワーUSB-DAC

PHA-1の基板単体ではPCとUSB接続しても、電源OFF時に充電の赤LEDが点滅するだけで認識されません。

+5V +5Vに接触

スイッチをUSB-DACにして電源ONのままPCとUSB接続します。バッテリーのプラス端子につなげる赤ケーブル先端の金メッキ端子を、USB端子そばの+5Vにしばらく接触させると認識しました。黒ケーブルはUSBのGNDにつながっているので配線不要です。

緑LED店頭

一度認識されると赤ケーブルを離しても認識されたまま(緑LED点灯)、そのままバスパワー給電で動作します。

ジャンパー線 ジャンパー線を配線

起動のたびに接触させないと認識しないので、元のケーブルを切り出してハンダ付けします。固定と保護を兼ねてハンダ付け箇所以外はテープでふさぐと作業が楽になります。+5Vの隣に接触するとGNDとショートするので接続前にテスターで確認してください。

作業完了

これでPC接続時にバッテリーなしでUSB-DACが使えます。この方法だとアナログ入力は動作しませんでした。

ガリノイズの応急処置

簡易ノブ

ボリュームノブは半月形の汎用品を取り付けられますが、開口部が広いイヤーピースで代用することもできます。

ボリュームをあまり回していないと接触不良になりやすく、そうなると回したときにバリバリと鳴るガリノイズが出てきます。そんなときは以下のような対処をします。

今回のボリューム不良で交換された元基板ですが、ボリュームを左右にゆっくり回し続けておいたところ、接触不良が解消されたようでガリノイズは出ませんでした。しかしやりすぎたせいか、ボリュームを回すときにザリザリとした抵抗を感じるようになりました。

回しても改善されないならスイッチ付2連ボリュームA10kと交換する必要があります。バスパワーUSB-DACとしてしか使わず電源をOFFにする必要がない今回の用途なら、スイッチをショートさせて常時ONにしてスイッチなし2連ボリュームA10kでもよさそうです。

PHAシリーズの主な仕様

2012/102013/102014/102015/032016/10
90000円3
5~60000円122A
30000円1A

共通項目としてUSB接続は高精度クロック(1/1Aは1系統、2/2A/3は2系統)によるアシンクロナス転送、35μm厚膜銅箔プリント基板、オーディオ専用部品、アナログ/デジタル回路分離レイアウトなどが採用されています。

DACは1/1A以外異なりますが、プリアンプのLME49860(3はOPA2604も実装)とヘッドホンアンプのTPA6120(2A/3はバランス用に2つ)は共通です。

11A22A3
DACWM8740PCM1795ES9018K2MES9018
フォーマット
PCM周波数96kHz192kHz384kHz
ビット深度24bit32bit
DSD2.8MHz/5.6MHz
DSEE HX
入力
アナログ3.5mm3.5mm3.5mm
USBデジタルUSB A (iPhone) / USB microB (PC)
光デジタル角型
出力
ヘッドホン3.5mm
ライン3.5mm3.5mm
バランス4.4mm3.5mm x2
11A22A3
最大出力 (対応インピーダンス 8Ω ~ 600Ω)
175mW148mW165mW
32Ω80mW100mW
32Ωバランス320mW320mW
300Ω26mW16.4mW
再生時間
アナログ入力10時間17時間28時間
デジタル入力5時間6時間6.5時間5時間 (バランス接続)
寸法
幅×奥行き67x130mm62x109mm68x140mm80x133mm80x140.5mm
高さ26mm18.5mm29mm23mm29mm
重さ220g145g270g290g300g
11A22A3

汎用機器との接続用3.5mmアナログ入力は1/2/3のみ、外部アンプ接続用の3.5mmライン出力は2/3のみです。3のバランス出力は4.4mm登場前の混迷期の製品なので3.5mmを2本使うマイナー仕様です。

1/2はPC接続と充電用の端子が共通で、充電専用端子を持たないため充電しながら使用することはできません。1はウォークマンとのデジタル接続非対応、1/2はAndroid端末非対応です。2だけminiB端子からウォークマンと接続します。

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