Rockboxでクロスフィード
イヤホン・ヘッドホンを少しだけスピーカーのような聞こえ方にする機能です。真横に定位する音を若干前方に定位させます。
スピーカーだと片側から出た音は逆の耳にも届きますが、ヘッドホンだと片方の耳でしか聞こえません。クロスフィードを有効にすると、スピーカーの聞こえ方を再現するため逆側の音を混ぜ込む処理が加わります。
それによって左右真横に定位する音が、少し前方に定位して聞こえます。
左チャンネル | 右チャンネル | |
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クロスフィード処理前 | 左ch | 右ch |
クロスフィード処理後 | 左ch + 加工した小音量の右ch | 右ch + 加工した小音量の左ch |
左の音声に右の音声を、右の音声に左の音声を混ぜます。そのまま混ぜるとただのモノラルになるので逆chの音を加工してから混ぜます。音量を抑えてローパスフィルタで中低音だけ通すので、サラウンド処理のような大幅な音質の変化はありません。
設定→サウンド設定→クロスフィード→クロスフィードをカスタムにして設定を変更します。
設定範囲 | 初期設定 | 設定例 | |
---|---|---|---|
クロスフィード | オフ | カスタム | |
ダイレクトゲイン | -6.0dB ~ 0dB | -1.5dB | 0dB |
クロスゲイン | -12.0dB ~ -3.0dB | -6.0dB | -12.0dB |
高周波アッテネーション | -24.0dB ~ -6.0dB | -16.0dB | -8.0dB |
高周波カットオフ | 500Hz ~ 2000Hz | 700Hz | 2000Hz |
設定例は、音量を下げたくないのでダイレクトゲインを0dB、音割れと低音が盛られるのを抑えるためにクロスゲインを下限に、クロスゲインを下げすぎると効果がなくなるので高周波アッテネーションの値を上げて調整しています。
カットオフを設定した周波数以上の音は処理の対象外になるので、音質への影響が気にならない値にします。楽器の基音は大体1kHz以内に収まるので、1000Hz以上にするとよいかもしれません。
左右のスピーカーから同時に同じ音が出ると、目の前から音が出ているように聞こえます。ステレオ幅の設定ではこの中央から聞こえる音を調整します。クロスフィードと併用すると効果的です。
設定→サウンド設定→チャンネルの設定→カスタムにすると、「ステレオの幅」で設定した値が反映されます。
設定→サウンド設定→ステレオの幅から数値を変更します。
- 100%より上げると、ボーカルなど中央から聞こえる音が遠く(小さく)なっていきます
- 100%より下げると、左右の音が中央に寄っていき、0%でモノラルになります
ヘッドホンで左右から同じ音が出ると、頭の中央で音が鳴っているように聞こえます。そこで130%程度に設定すると、中央の音量が抑えられて目の前で聞こえていたボーカルが少し後ろに下がり、若干前方で定位しているように聞こえます。
設定→サウンド設定→ステレオのバランスから設定します。
左右の音量バランスの調整ができ、プラスにすると右側に、マイナスにすると左側に偏ります。左右の聞こえ方が異なるとボーカルなどセンターに定位する音が片側に偏るので補正するとよいです。
左右の聴力が異なったり、故障気味で左右に微妙な音量差があるイヤホンなどで有効です。